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食堂、甲板、見張り台、思いつくところは探したが見つからない。

エースの行きそうなところなんてそんなにないと思ったんだけど。



-帰ってくるまで食わねェの一点張り





ガチャ



『ただいま、エース』



エースは私のベッドに突っ伏して寝ていた。

ごめんね、という気持ちでそっと彼に触れるとパチッと目を開き私の姿を捉えるとガバッと抱きついてきた。




「アイリンッ!!!」



『ごめんね、心配かけて』



「ほんとだぞ!!お前が撃たれたって聞いて俺は、俺はほんとに…ッ!!」



『でもちゃんと帰ってきたでしょ?』



「だめだ!無事で帰ってこいよお…うぅ…ん…」



『心配してくれてありがとう。次からは絶対無傷で帰ってくるね』



「いやだ!もう行かせねェ!!」



『それは困っちゃうなぁ』




まぁ、そりゃそうだよなぁ…私だって逆の立場だったら怖いもん。エースにもしもの事があったら私は自我を保ってられる自信がない。


海に出た海賊同士、お互い自分の身に降かかる危険なんて覚悟の上だ。



でも、大切な人に降かかるそれは、覚悟してもしてもしきれないよね。




『エース、お土産あげよっか』



「…いらねェ、アイリンがいりゃいい」



『え、可愛いけど拒否られるとは思ってなかった』



ジャーンと取り出したそれはペンダント。

実は服屋のおばちゃんに勧められて買っていたのだ。



「…ペンダント?」



『中に写真を入れられるの。

これからもきっと遠征に行かなきゃいけない時はあるし、エースが遠征に行くこともあるかもしれない。

一緒に写真取って入れよう?そしたらどこにいても一緒だよ』



「へーこんなンあるんだな!すげェ!!」



物珍しそうに色々な角度からそれを見るエース。

いらないと言っていた割には気に入ったようで満足気にありがなと笑う。



やっと笑った。



その途端ぎゅるるるると響く腹の虫。




目を見合わせると私たちは同時に吹き出した。




『ごはん、食べに行こっか』




「アイリン帰ってくるまで俺なんも食ってなかったんだ…」




『私の部屋で待ってたとはね。女の部屋がどーのこーのと言ってたのはどこの誰だったっけ?』




「いやっあ、それは……

す、少しでもアイリンのことを感じたくて…」




『』



エースはたまに純粋すぎてこっちが抉られるから気をつけた方がいいと思います。

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(プロフ) - なこさん» なこ様コメントありがとうございます!キュンしていただけて何よりです!エースとのお話、まだまだお届け出来ればなと思ってますのでこれからもこの作品をよろしくお願い致します! (2022年12月26日 8時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - いつも楽しませていただいております!!ついにヒロインがエースに想いを伝えて♡キュンさせて頂きました♡♡♡これからも応援しています!! (2022年12月25日 22時) (レス) id: 1d7515ff1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年12月4日 17時

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