○ ページ31
「半年ぶりだな、コラソン。アイリンを離せ」
ドフィの怒気に満ちた声が後ろから聞こえる。
大人しく従うようにロシーさんの温かさは私から離れた。
でも私はどうしても離れたくなくて、しがみついたまま動かなかった。
「何してる、アイリン。こっちにこい」
「アイリン？」
これ以上はダメだと分かった。
ゆっくりとロシーさんの温もりを名残惜しむように離れた。
ドフィの方へ戻るため背を向けた時優しいロシーさんの声が耳を包んだ。
「ありがとう」
振り返って抱きつきたかった。
あなたともっとずっと一緒にいたかった。
色んな世界を一緒に見て見たかった。
隣で馬鹿やって笑いあっていたかった。
あぁ、今わかった。
きっとあの日々を幸せと呼ぶんだろうな。
大切なものは失ってから気づくとはよく言ったものだ。
頬が冷たいのは雪が降っているせいだ。決して流れている何かのせいじゃない。
ドフィが私の手を引いて傍に置いた。
やっぱり違う。冷えきってもなお、温かく優しいあの手はロシーさんじゃなきゃダメなんだ。
ロシーさんはコートの内側から銃を取り出すとこちらに向け、マリンコードを名乗り海軍だということを明かした。
そして頭を2回後ろの宝箱にぶつけると思ってもいないような謝罪をした。
でもその謝罪に嘘はなくて。
ロー？
見聞色で弱々しい光を宝箱の中に見た。
そっか、きっとロシーさんは能力をかけてあの宝箱の中にローを隠したんだろう。
本当に愛されてるね、ローは。ずるいなぁ。
私も、一緒に行きたかったなぁ。
そしてローが悪魔の実を食べたこと、檻を抜け出して逃げたこと、海軍本部に保護されているであろうことを話した。
ロシーさん、嘘つくの上手なんだよなぁ。
「さっき少年を保護したと海軍が通信を！」
ベビー5の報告にドフィの表情はもっと強ばり、ロシーさんは驚いた顔をした。
そんな顔してたらバレちゃうのに。
嘘つくのは上手い癖にすぐ顔に出ちゃう、でもそれがロシーさんの素直なところ。大好きなところ。
「出港の準備をしろ！事実なら海軍の監視船を沈め、ローを奪い返す！！」
その言葉に幹部たちは急いで港に向かった。
私はその場に立ち尽くし動けないままでいた。
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葵(プロフ) - つばめさん» つばめ様コメントありがとうございます。続編でゾウ編やワノ国編も少し書けたらなと思っていますのでよろしければ今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年12月6日 10時) (
レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - 読んでいて楽しいです この後の彼らの絡みやゾウ編ワノ国百獣海賊との決戦編などいろいろ見たいです (2022年12月5日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 朔さん» 朔様コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！今後ともこの作品を何卒よろしくお願いします！！ (2022年12月3日 8時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - はじめまして！とてもおもしろいです！続きがすごく気になります！無理のないよう、これからも更新頑張ってください！応援してます^_^ (2022年12月3日 0時) (レス) @page41 id: e897ea96c1 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - うささん» うさ様コメントありがとうございます！とってもありがたいお言葉励みになります！今後ともこの作品をよろしくお願いします！ (2022年12月1日 8時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2022年11月16日 19時
