4-23 ページ42
どがぁぁん！！
「させねェよい！」
「ッマルコォ！！」
『…！ま……るこさ…』
「Aちゃん、なんて礼を言ったらいいか…お前は、俺たち白ひげ海賊団の恩人だよい…ッ！」
『…そん、な…ごほっ…』
すごい、マルコさん青い炎を纏って…なんかよく分からんけどやっぱり強い人なんだ…
彼はマグマ男をとめながらその炎を私に纏わせる。
『！？あっ……つく…？』
「マルコの炎は回復の炎だ、熱くねェよ」
「エース！俺たちはお前を命がけで守る！
お前はAちゃんのこと、死んでも守れよい！
もし、死なせたら白ひげ海賊団の恥と思え！！」
そこまで言われるととても腰が引けるのですが、マルコさん…！
まぁもう引ける腰、動かないんですけど…ヨホホホって違う。誰だ。
比喩でもなんでもなくずっと胸が苦しい。
呼吸器官の苦しさはあるけど足とか怪我の痛覚がない。鎮痛剤の効果だろうか…効きすぎか。
酸素の足りてない頭をぼーっと回しているとがっしりとした腕に抱き抱えられた。
「…掴まってろ」
『えー、す』
「ルフィ動けるか」
「おう、う…動けねー！」
「ルフィ君はわしが運ぼう！エースさんはその子だけを守るんじゃ、その子が言うとった大切な子なんじゃろう」
「ジンベエ！あぁ、ルフィを頼む…ッ！」
あー、本格的に頭回らん…キャパシティ超えて強制シャットダウンでもされてるようだ。
飛び出してきてこのザマって…ダサすぎか、私。
辛うじて動かせた腕をエースの首元に回してみる。
あぁ、この体温…
この常人にしては熱いくらいの体温が彼の命を証明してくれて心底安心した。
対してエースはただ無言でひたすらに走っていた。だがしばらくすると、ぴちゃっと生暖かい何かが上からひとつふたつと降ってきた。
「何で…お前まで、こんなとこまで来ちまうんだッ…！A！」
言葉を失った。
私は彼の前で何度も泣いたが、初めて見る彼の涙に閉じかけの脳が覚醒していくような衝撃を感じた。
「こんな危ねェとこまで…ッ！俺のために、死ぬつもりだったのかッ！？それで俺が喜ぶとでも！？ここは戦場だぞ、分かってんのか！」
あれ、私怒られてるのか。
いや当然か。それだけのことをした。トラファルガーさんにも止められたしな。
『助けに来たわけじゃないよ…ましてや、戦争しにきたわけでも…私そんな力ないし』
「分かってんじゃねェか！」
『けどね、ただ…』
好きな人に、逢いたかったから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 331人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様、前作に引き続きコメントありがとうございます。応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけるようなお話を更新していきますので宜しくお願い致します！ (2023年4月1日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉@斎藤一推し(プロフ) - 続編おめでとうございます！面白いですね！これからも更新頑張ってください！！ (2023年3月31日 9時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵 | 作成日時：2023年3月30日 13時
