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トッ
無事マリンフォードの外壁の上に立つことが出来た私。異常なほど熱を持っていた足も少しだけ冷め、今のところは痛みもない。トラファルガーさんの薬のおかげだろうか。
「貴様ァ！何者だ降りてこい！！」
「嬢ちゃん、一体…」
壁の上の私を見上げ、下から声が飛ばされる。
せっかく登った壁をおとなしく降りるバカがどこにいるというんだ。
構ってられない、先を急ごう。
壁の向こうは随分状況が変わっていた。
元の姿は知らないが建物は完全に倒壊しており、スクリーンに映っていたであろう処刑台は見るも無惨に潰れている。
…間に合わなかった？
『ッ…嘘……』
その場にドサッと膝から崩れ、絶望感で視界が黒く黒く塗りつぶされていく。
そんな時だった。
「お前ら退けェッ！！」
ボウッと立ち昇る炎。
それは真っ暗闇にともされたひとつの蝋燭のように私の心を灯した。その声に顔をあげると処刑台よりもっと手前、火の手が上がったそこには私が待ち望んだその人と酷く傷だらけの白ひげさんが立っていた。
見つけた…まだ生きてる！
まだ動けよ、私の足…！こっからが本番なんだ。
心臓が痛いぐらいに収縮する。さすがに怖すぎる、壁の裏とは比べ物にならない。こんなところに飛び込むやつに死ぬな、なんてトラファルガーさんは見かけによらず無茶なことを言ってくれる。
まるで自分が清水の舞台にでも立っている気分だ。ここを飛び降りたら、きっとまた運命が変わる。
さぁもう一度、一か八かの大勝負だ。
ダッ
風を切り、垂直に壁を落ちるように下っていく。能力を使わずとも加速するスピードに乗って壁を蹴った。
「なんだあの女！どこから！？」
「つか速ァッ！？」
人の数が多くて上と違って状況を見渡せない…方向は多分あっちだけど海賊は撤退の動きをしているから会えるとしたらもう少し手前か…？
いや、こんなところで考えながら悠長に走ってたら殺される。
初速から上げろッ！
ビュンッ
「うぉぉおお！」
『ッ！！』
キックボクシングを選んで心底良かったと思う。敵の動きを読んで避ける、コーチに叩き込まれたことがここで生きる。実戦経験なんてないから今生きてるのは奇跡だろうけど。
どこ…エース…
どがぁぁああん！！
「うぐぁぁぁぁあ"！」
私が通り過ぎかけた横一直線上、その先で鳴った爆発音とよく知る彼の声が爆風によって耳に届けられた。
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葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様、前作に引き続きコメントありがとうございます。応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけるようなお話を更新していきますので宜しくお願い致します！ (2023年4月1日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉@斎藤一推し(プロフ) - 続編おめでとうございます！面白いですね！これからも更新頑張ってください！！ (2023年3月31日 9時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年3月30日 13時
