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ここは窓がなく、時間の経過を図るすべは時計しかない。
イッカクさんがいなくなってから数時間、暇の極みだ。足の痛みもさっきよりはマシになってきたか？と少し揺すってみたがそんな事はなく悶絶した。
コンコン
『はい』
「お、起きてるー！飯持ってきたぜ、腹減っただろ」
「あらあらあらー！寝てても可愛かったけど起きてるとなお可愛いじゃーん」
今度やってきたのは可愛らしい帽子をかぶった2人組。イッカクさんといいこの2人組といい船長と随分雰囲気が違う。でもみんな年は近そうだ。
『ご飯まで…ありがとうございます』
「意識戻ってよかったなァ！海から引きあげた時はぐったりしてて焦ったけど」
『！もしかして私を助けてくださったクルーの方って』
「そ、俺らだぜ！元気そうでよかった！」
『ほ、本当にありがとうございます！あなた方がいなければ私はもう…』
「いーってことよ！怪我の手当したのはキャプテンだしな」
快活な笑顔のこの2人組はペンギンさんとシャチさんというらしい。名前まで可愛いな。
彼らは私の食事が終わるまでずっとマシンガントークを続けていた。君らはお笑い芸人か何かか？
「君さ、ちょっとでいいからキャプテンと話してあげてくんない？怖い人じゃないからさ」
「いや、普通は怖いよあの人。俺も怖いもん！悪い人じゃねェけど。いやーキャプテン落ち込んでんの久しぶりに見たよなァ」
「でも俺らには平気そうな顔してんな。海賊が怖いんじゃねーの？」
『いえ、海賊にもいい方がいるのは知ってますから。海賊の知り合いもいますし』
「なるほどねー」
「…じゃあ尚更キャプテンが嫌われてるだけじゃんコレ」
ちょっとシュン…と帽子の元気が無くなったふたりは船長の彼のことが好きなんだろう。彼に言われてきたのかはたまた自分たちできたのかは定かでは無いがキャプテンは良い奴なんだ、と必死に伝えてくるふたりにあの人愛されてるなぁ、と胸が少し温かくなった。
『嫌いなわけじゃないです。かなり苦手なだけで』
「あんま変わらねー！」
『…トラウマがあって彼はその人に似てるんです。彼が嫌いと言うよりその人が嫌いなだけです』
「あーそれはもうどうしようもないな」
「ないなー」
ま、最初に恐がらせてこなければ重なることは無かっただろうが、ということは2人には伝えなかった。
あんな男には縛られないと決めたんだ。もう少しちゃんと向き合ってみよう、と思い直した。
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葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様、前作に引き続きコメントありがとうございます。応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけるようなお話を更新していきますので宜しくお願い致します！ (2023年4月1日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉@斎藤一推し(プロフ) - 続編おめでとうございます！面白いですね！これからも更新頑張ってください！！ (2023年3月31日 9時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年3月30日 13時
