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私が横たわるベッドの横で口の端を釣りあげて笑うその男は確かに海賊という言葉が良く似合う笑い方だった。
加えて全身タトゥーバチバチだしピアスも両耳しっかり空いてらっしゃる。ただの優しいお医者さんというにはいささかイカつい風貌だ。
え、大海賊時代とはいえ海賊多すぎでは？なんで毎回第一村人が海賊なんだ。
「少しは人を疑うんだな。お前は動けない状態で海賊船に乗っている。俺にはお前を殺すことも売っちまうこともできるんだぜ？」
おっしゃる通り…
どうしよう、今度こそ私本当に売られる…？一応手当したってことは殺す気はないのか…？
……あれ？
服が全部濡れていない。自分の服は冬物のニットとズボンではなく白いつなぎにかわっていた。それはいいとして、下着まで濡れていないことに気づき、血の気が引いた。
『…ッあの、私の服は』
「あぁ、やっと気づいたか。お察しの通り、俺が脱がせた」
『ッッ…！い"ぎッ…』
ぶわっと寒気が足先から頭までを駆け抜ける。頭が危険信号をかき鳴らし、この男から逃げろと警告する。少しでも距離を取ろうと身体を起こし、身を引くが治っていない足には激痛が走る。
呼吸が浅くなってるのが分かる。この感覚、まるで…
「おい、あんまり動くな。怪我に響くだろ」
『こ、来ないでッ』
ガタンッ
体を引きすぎたあまり、勢い余ってベッドの外に飛び出してしまった。バランスを崩した体はベッドから落ちて…
“Room”タクト
次にくる衝撃に備え、目をグッと閉じていると体が不自然に浮き上がった。何事かと目を開けた時にはもう元いた位置に戻っていた。
「…はぁ、そこまでビビらせるつもりはなかった」
『え……は、今何が…』
“Room”シャンブルズ
不思議な呪文でも呟いたかと思うと彼の手元にあった本が消え、そこに私が着ていた服が現れた。
「…お前を着替えさせたのは俺だが体は見てねェ。この力で服だけを交換した」
『は……？服を、交換…？』
「俺は“オペオペの実”の能力者だ」
オペオペの実…？
__改造自在人間だって、何それかっこよ
『最近の、ルーキー…』
「なんだ、俺のこと知ってんのか？」
知らない、でもその実の名前は知ってる。
エースと話したことは覚えてる。
「トラファルガー・ロー。ハートの海賊団船長だ」
この出会いが私の運命を大きく左右することになるとは今の私はまだ知らない。
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葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様、前作に引き続きコメントありがとうございます。応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけるようなお話を更新していきますので宜しくお願い致します！ (2023年4月1日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉@斎藤一推し(プロフ) - 続編おめでとうございます！面白いですね！これからも更新頑張ってください！！ (2023年3月31日 9時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年3月30日 13時
