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目を覚ましたそこには見覚えの無い天井……
ではなく、燦々と照り注ぐ太陽が高く昇っていた。
体を起こして周りの様子を見てみるとどうも前回トリップしてきた時とは違う場所に飛ばされたようだ。前は広葉樹林が森に広がっていたが、今回は砂浜とヤシの木が立ち並んでいる。どう見ても南国だ。こっちの言葉では夏島と言うんだっけか。
それに人の気配がない。家もない。無人島のようだ。
状況を整理する。
身につけているものは海に落ちる前に来ていた冬物のダウンとニットのトップスに裏起毛のあるズボンにブーツ。総じて場違いである。
『あっづ！！』
とりあえずダウンを脱ぎ捨て、腕を捲り、ズボンも裾を折り曲げたがそれでもまぁ暑い。前回は寒かったけど今回は常夏かよ。
あっ、指輪…
首元にはしっかりとふたつのペアリングが通ったネックレスがかかっていてひとまず息をついた。
さて、一体これからどうしたものか…
街も店もなければ人もいない。
前回は奇跡的にエースが助けてくれたから何とかなっただけで毎回そんな都合よく来てくれるわけもない。というか、船もないのにどうやって彼を探すの？
…あれ、これは結構詰みゲーじゃない？？
考えるだけ時間の無駄だ。とにかくこの島を調べてみよう。とにかく水が欲しい。
これはもしかして私が死ぬのが先か、飲水が確保できるのが先かというタイムトライアルでは？
くっそ…私トリップ直後は毎回散々だな。
いや、トリップできただけ幸運と思うべきか。あの本に書いてあった《魂の空間》を私は見ることは無かったけど、ここに来れたということは奇跡的にまた選ばれたのだろう。言葉通り一生分の運を使ったのかもしれない。
しばらく島を練り歩いたが、まともな水は見つからず、かろうじて見つけたのはヤシの実によく似た実だけ。変な模様は無いから悪魔の実では無いと思うけど…本当に大丈夫なのだろうか。
あー、もう頭回らん。ダメだったらダメだった時だ、どちらにせよ死にそう。日陰で皮を剥がし、実と果汁を口に含んだ。
『…普通に美味い』
とりあえず体に異常は出ない。命拾いした。
さて、次はどうしようかと思考をめぐらせようとした時、懐かしくも嫌な感覚を思い出した。
あ、これはまずい…！
ビュンッ！！
『うぎゃぁぁぁ、、あ"ぁあぁぁあ！？！？』
そして私の足はアクセル全開で目の前に広がる大海原に飛び出したのだ。
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葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様、前作に引き続きコメントありがとうございます。応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけるようなお話を更新していきますので宜しくお願い致します！ (2023年4月1日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉@斎藤一推し(プロフ) - 続編おめでとうございます！面白いですね！これからも更新頑張ってください！！ (2023年3月31日 9時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年3月30日 13時
