○ ページ48
後ろから怒号が飛んでくる中逃げ続ける私たち。
「待ちやがれ！ポートガス・D・エースッ！！！」
「あとそこの女ァ！誰だか知らんが止まれェ！！」
『ッぅ…』
「大丈夫だ、俺がいる…！」
誰だか知らんならほっといてよ。屈強な男の人に追われていると思うと足がだんだん動かなくなってくる。
やばい、このままじゃ追いつかれる…エースまで捕まっちゃう…！
私はやっぱり…
「わり、少しだけ我慢しろよ」
ふわっと体が引かれ浮いたかと思うとがっしりした身体に抱きとめられた。膝裏と背中に手を差し込まれぐっと自分の体で支えてくれる。
『え、エース？』
「船着いたらすぐおろしてやる、！だから今は少しだけ耐えてくれ…ッ！！」
でも体は震えなかった。呼吸も乱れず寒気もない。
むしろ安心感すら感じる。あの日、彼が手を握ってくれた時のような感覚だ。
少しはエースに耐性がついたのかも。
「大人しくしろ！火拳のエース！！」
「…A、目ェ閉じてろ。できるなら耳も塞いどけ。
俺がいいって言うまで開けんなよ」
『んッ…』
荷物を抱えてるから両耳は塞げないけど、片方の耳はエースの胸に押し当てて誤魔化した。
耳を押えていても外の音は聞こえてくるもので、エースが能力で戦っている様子はずっと小さく聞こえていた。
「もういいぞ」
『着いた…？』
「あぁ、けどまだ来てる。飛ばすからどっか捕まっとけよ」
『へ……うわぁぁあぁああ！？』
ゴオオオオ
勢いよく飛沫を上げ、船と呼ぶには小さなそれは大海原へ飛び出した。
訳も分からないまま島を出て、気づけば辺り一面真っ青な海の上にいた。追いかけていた海軍の船ももう見当たらない、無事に巻いたらしい。
「ここまで来りゃ大丈夫だろ」
『はぁ、ありがと…エース…はぁ…』
「あぁ、大丈夫かA！さっきは悪かった！あれ以外に方法が思いつかなくて…本当にすまね！」
『大、丈夫…』
あわあわと両手を動かす彼の手のひらに自分から手を伸ばした。
パチンッ
「え？」
『ちょっと、慣れた』
たかがハイタッチ。ほうけた顔のエースはそれを理解すると満面の笑みを浮かべた。
『これからどうするの？』
「まぁ、島を追い出されちゃ仕方ねェな。行こうぜ、A
俺たちの船に！」
こちらの世界に来て1週間。
24歳、一般社会人。ついに海賊船に乗ってしまうらしいです。
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るな - ジェトジェトの実最高すぎますめっちゃ笑いました！笑 お話も面白いです♡ (1月4日 5時) (
レス) @page44 id: 48ff4530aa (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - しのさん» しの様コメントありがとうございます。ありがたすぎすお言葉です！これからも世界観を壊さず読みやすいお話を心がけて頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月21日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
しの - 世界観が良くて話も読みやすく面白くて好きです！特に夢主ちゃんの優しさと健気さに心打たれました。更新ゆっくり待ってます！ (2023年3月19日 22時) (レス) @page17 id: 47a7886cb6 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - まるさん» まる様ご指摘ありがとうございます。修正致しましたがまたなにかお気づきのことがあればご指摘頂けるとありがたいです。今後ともよろしくお願いします！ (2023年3月15日 11時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 黒豆粉さん» 黒豆粉様、コメントありがとうございます。今後の展開も楽しんでいただけるように頑張りますので引き続きよろしくお願いします！ (2023年3月15日 10時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年3月12日 14時
