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これほど生命に感謝しながら食事をしたのは初めてだ。食べてる時も泣きすぎてエースに呆れられた。私ビーガンになろうかな。
食事を終えるとそろそろ店も開く頃だろう、といただいた宝箱を持って街へ下りた。またあの海賊たちと鉢合わせでもしたらどうしようかと身構えていたが無事に質屋にたどり着けた。
あえて金額は見なかったがちらりと目に入ってしまった査定額はゼロの数がえぐかった。数えたくない。私の年収がはした金にしか思えなくなる。
大きな荷物が分厚い札束に変わったところで、今度は服屋に連れていってもらった。まだ開店したばかりの時間帯だからか人が少なく少し気が楽になった。みすぼらし過ぎるからなぁ、今の私の格好。
「これとかいいんじゃねーか？」
『えぇ…私には可愛すぎん…？高校生とかが着るやつだよそれ』
「コーコーセー？」
『あー、もっと若い子が着るやつってこと。私にはハードル高い』
「そうかぁ？似合うと思うけどな」
そもそもあんな山奥で生活するのにかわいい服いらんでしょ。Tシャツとジーパンくらいで十分とか思っちゃう私は女捨ててるのかしら。
これはお前の金だ、と言われたさっきの大金があるから金銭は問題ないとしても貧乏脳がしみついていて服のタグは必ず確認してしまう。あ、これちょっと安いじゃん。
『これでいいわ』
「本当にそれだけでいいのか？」
必要最低限の服と下着、それと靴。私が自費で買うならもう十分すぎる。だがじとーっと私を見てくるエースはさっき勧めてきた服を諦めきれないらしい。
どこで着るんだあんなかわいい服。華の高校生時代の一張羅が部活のジャージだった私に着こなせるわけなかろうが。
「試着だけでもしてみろって」
『……試着だけね』
そんな少年のような目で私を見るな、断れないじゃないか。
エースの選んだそれは膝丈ワンピースだった。だがスカートなんてそもそも数年持ってなかったし、だいぶ前に着ていたロングスカートもこんなに足が出るようなものではなかった。あまりの足の開放感に動揺する。
「おー、着替えた、か…」
『…え、何その反応。脱いでいい？』
「ぬ、脱ぐな！すげェかわいい、から…」
『ッ〜〜〜〜！？』
頬を染めたエースが目線を逸らしながらぼそっと呟く。
は、破壊力ッ！
「こちらお買い上げでよろしいですか？」
『戻しでお願いしますッ！！』
「えっ」
私の心臓が持ちそうにないので買わなかった。
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るな - ジェトジェトの実最高すぎますめっちゃ笑いました！笑 お話も面白いです♡ (1月4日 5時) (
レス) @page44 id: 48ff4530aa (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - しのさん» しの様コメントありがとうございます。ありがたすぎすお言葉です！これからも世界観を壊さず読みやすいお話を心がけて頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月21日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
しの - 世界観が良くて話も読みやすく面白くて好きです！特に夢主ちゃんの優しさと健気さに心打たれました。更新ゆっくり待ってます！ (2023年3月19日 22時) (レス) @page17 id: 47a7886cb6 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - まるさん» まる様ご指摘ありがとうございます。修正致しましたがまたなにかお気づきのことがあればご指摘頂けるとありがたいです。今後ともよろしくお願いします！ (2023年3月15日 11時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 黒豆粉さん» 黒豆粉様、コメントありがとうございます。今後の展開も楽しんでいただけるように頑張りますので引き続きよろしくお願いします！ (2023年3月15日 10時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年3月12日 14時
