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しばらくグズグズと泣いてしまった。
エースは少しだけ距離を空けてそばに居てくれた。
なんでこんなに優しいかな、もういっそ酷いことでもしてくれれば嫌いになれるのに。でもエースがそんな人ならこんなに心を許すわけは無いのはとうに分かってることだ。
「落ち着いたか？」
『うん…ずびっ…ごめんね、こんな年甲斐もなく…恥ずかしい』
「なんだよ、今更だろ。それより手当てしたほうがいいだろ、顔。自分で出来るか？俺がやってもいいけど…」
『いや、自分で……や、やっぱりやって貰ってもいい？』
「え、大丈夫か？俺は嬉しいけど…そんな無理すんなよ？」
『む、無理じゃない…！ちょっとでもエースに慣れたいから』
「そっ！…なら仕方ねェなァ！！」
わー、分かりやすく嬉しそうだな。
毎回思うがこの20歳純粋すぎて眩しい。
そうか、エースには悪いけど彼を少年と思えば怖さもなくなるのでは…？
年下は年下なわけだし、弟のような感じで接すれば恐怖心も薄れていくのではなかろうか？
「じゃあやるぞ？」
『…うん』
患部は右目付近なので正面から顔をのぞき込まれる形になる。
エースだと分かってはいても少し怖くて目をぎゅっと閉じてしまう。
手がそっと私の頬に触れる。似ても似つかない優しい手なのに高木くんに添えられた手の感触が思い出され体が強ばった。
『ッ……う…ぅ…』
「だ、大丈夫か…？もう少し…」
む、無理かもしれない…
年下って言っても体は成人男性だし。なんなら私の世界の平均よりずっと体格いいし、手も大きいし、声も低いし。
こ、怖…
「よし、できたぞ」
その言葉を聞いた瞬間に弾かれたようにエースと距離を取ってしまった。途中無意識に息でと止めていたのだろうか、少し息が切れる。
「…さすがにちょっと傷つくな」
『ご、ごめん…でもありがとう』
いくらなんでも手当してもらっておいて失礼なことしたな。申し訳なさを抱えながら元の場所に戻ろうと足を動かした時、少しふらっとしてバランスを崩してしまった。
『あっ』
「ッ危な」
シュル
「『え？』」
支えようと伸ばされたエースの手は私の体を巻いていた布だけをかすめ、軽く縛られていただけのそれはいとも簡単に解けて地面に落ちてしまった。
私の格好はいわずもがな
『うわぁぁぁぁあ！？！？』
「すっすみませんでしたぁぁぁぁあ！！ぶべらッ」
私が再びエースに慣れるにはもうしばらく時間がかかりそうだ。
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るな - ジェトジェトの実最高すぎますめっちゃ笑いました！笑 お話も面白いです♡ (1月4日 5時) (
レス) @page44 id: 48ff4530aa (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - しのさん» しの様コメントありがとうございます。ありがたすぎすお言葉です！これからも世界観を壊さず読みやすいお話を心がけて頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月21日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
しの - 世界観が良くて話も読みやすく面白くて好きです！特に夢主ちゃんの優しさと健気さに心打たれました。更新ゆっくり待ってます！ (2023年3月19日 22時) (レス) @page17 id: 47a7886cb6 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - まるさん» まる様ご指摘ありがとうございます。修正致しましたがまたなにかお気づきのことがあればご指摘頂けるとありがたいです。今後ともよろしくお願いします！ (2023年3月15日 11時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 黒豆粉さん» 黒豆粉様、コメントありがとうございます。今後の展開も楽しんでいただけるように頑張りますので引き続きよろしくお願いします！ (2023年3月15日 10時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年3月12日 14時
