3/1(日) ページ3
昨日のことはよく覚えていない。
エースが跡形もなく消えてから気が抜けたように呆然としてしまって動けないまま日が落ちて、いつの間にか彼が着ていたパーカーを握りしめて眠っていた。
あぁ、大谷先生から折り返しが来て電話には出たっけ…
なんて答えたかは曖昧だ。
本当に、いない。
部屋を何回探してもあの朗らかな笑顔はどこにも無い。孤独感と喪失感が押し寄せて私の気力を奪っていく。
こんなことなら、最初から人の温かさを知らなければ…
なんて、あとからならどうとでも言える。それに分かっていたことだ。彼はここにはずっと居られない。
『もう、少し…いて欲しかった』
ぽっかり空いた隣の温もりがやけに寒く感じた。もう気温はだいぶ暖かくなってきたのに。
もう一度、笑顔が見たい。
『…あ、写真』
縋るような気持ちでスマホを握った。自分の手が少し震えていたのには今気づいた。私こんなに弱かったんだ。
写真フォルダをタップすれば1番上に出てきた写真は
『…そん、な…』
私一人が変顔で撮ったような自撮りだった。
他の写真も隣にいたはずの快活そうな顔はどこにも写っていない。
全部、夢だったの？
幻だったの？この2週間は。
でもこの服はエースが着てたものだ。
…それすら私が架空の人物をつくりあげて一人で買ったものだとしたら？
『ッ違う！！』
頭がおかしくなりそうだ。自分も何も信じられない。
自分が生みだした幻想だと言うなら私はなぜそんなものを作ったのか。
いや、あんな異世界の設定考えられるわけない。エースがここにいたことは絶対に…
ピンポーン
『ッ……』
こんな時に…誰…？
まさかまた…でもまだ昼間なのに。震えが大きくなる。
エース…
エース、ねぇ、助けてよ…！
守ってくれるんじゃなかったの？
ピンポーン
再び鳴ったインターホンの音。ただの訪問者を知らせる音にこれほど恐怖を覚えたことは無い。
とにかくモニターで確認を…
震えが止まらない体を無理やり立たせ点灯しているモニターの前まで行く。
『…え？』
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るな - ジェトジェトの実最高すぎますめっちゃ笑いました！笑 お話も面白いです♡ (1月4日 5時) (
レス) @page44 id: 48ff4530aa (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - しのさん» しの様コメントありがとうございます。ありがたすぎすお言葉です！これからも世界観を壊さず読みやすいお話を心がけて頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月21日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
しの - 世界観が良くて話も読みやすく面白くて好きです！特に夢主ちゃんの優しさと健気さに心打たれました。更新ゆっくり待ってます！ (2023年3月19日 22時) (レス) @page17 id: 47a7886cb6 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - まるさん» まる様ご指摘ありがとうございます。修正致しましたがまたなにかお気づきのことがあればご指摘頂けるとありがたいです。今後ともよろしくお願いします！ (2023年3月15日 11時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 黒豆粉さん» 黒豆粉様、コメントありがとうございます。今後の展開も楽しんでいただけるように頑張りますので引き続きよろしくお願いします！ (2023年3月15日 10時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年3月12日 14時
