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そもそもそんなに人に自分の家を知られたくないという警戒心が心のどこかに存在する。
けど今はそれ以上に自分の安全確保が優先だ。人をむやみに巻き込みたくは無いが私だって命は惜しいし、怖いのは嫌いだ。
たとえ彼の心を利用するとしても。
「……Aさん、困ってることがあったらいつでも相談乗るから。俺でよければ」
『……ありがと。あ、ここ曲がります』
彼はあまり強く押すタイプでは無いらしい。まぁ、私としてもそっちの方がありがたい。また再び彼の話を聞きながらいつもとは少し違う帰り道を辿った。
『着いた、うちこれだよ。ここまでで大丈夫。送ってくれてありがとね、高木くん』
「ここか、意外と駅から近いんだね」
『そうなんよ。わざわざここまでありがとう。また明日ね』
「あっ、Aさん！
…あんまり聞いて欲しくなさそうだから言うつもり無かったんだけどさ、あの男知り合い？」
距離を詰め、声を潜めてかけられた言葉。本人が言う通り言われたくなかった言葉だ。
私が返答に困っていると察したようだった。
「警察には…？」
『…まだ言ってない』
「こういうのは早く言った方がいい。直接行くのに抵抗があるならチャットで弁護士に相談できる窓口もある。手遅れになってからじゃいけない」
『詳しいんだね、高木くん』
「姉が被害を受けたことがあってね。とにかく対策しすぎなくらいがちょうどいいんだよ。調べてみて。
明日からも俺が送るよ。心配だし」
『……』
そりゃあ確かに送ってもらえればあの男への抑止力にはなりうるだろう。けどそれと同時にあの男の標的になりかねない。
それに単純に人気者の彼とは一定の距離を保っていたいというのが本心だ。それを崩して周りに余計な詮索をされるのも面倒だし。
「俺は、Aさんの力になりたい。もし俺の事を気にしてくれてるなら気にしないで欲しい。
俺は君にもしもの事があったら…耐えられない」
『ありがとう。また時間が合う時にお願いするね。
送ってくれてありがとね。じゃあ、また明日』
半強制的に話を切りあげ、部屋に続く階段を昇った。折角私を思って言ってくれたのは嬉しいし、感謝もしてる。
けど彼の私に向けられたものは私にとって苦手な感情そのものだった。
しかし、こう他人を巻き込んでしまうくらいなら警察に言うべきか。
おかえり、の声がない自分の部屋にたどり着くとまた気分が重くなりしばらく玄関にしゃがみこんでいた。
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るな - ジェトジェトの実最高すぎますめっちゃ笑いました！笑 お話も面白いです♡ (1月4日 5時) (
レス) @page44 id: 48ff4530aa (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - しのさん» しの様コメントありがとうございます。ありがたすぎすお言葉です！これからも世界観を壊さず読みやすいお話を心がけて頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月21日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
しの - 世界観が良くて話も読みやすく面白くて好きです！特に夢主ちゃんの優しさと健気さに心打たれました。更新ゆっくり待ってます！ (2023年3月19日 22時) (レス) @page17 id: 47a7886cb6 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - まるさん» まる様ご指摘ありがとうございます。修正致しましたがまたなにかお気づきのことがあればご指摘頂けるとありがたいです。今後ともよろしくお願いします！ (2023年3月15日 11時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 黒豆粉さん» 黒豆粉様、コメントありがとうございます。今後の展開も楽しんでいただけるように頑張りますので引き続きよろしくお願いします！ (2023年3月15日 10時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年3月12日 14時
