＃ ページ3
そろそろ野球部の演説が始まる。
ドキドキとワクワクに満ち満ちたオレはなんだか良心な子供のようだったとか。
たが、オレは約十五分後。初めて酷く落ち込むのとにすごく好奇心を起させられた出来事が連続に起きた。
まずだ。
何だこのピッチングは。
失敗祭り。
小学生の初心者なんじゃねぇかと思ってしまったほどだ。
終わりだ。 もうオレの野球一筋と友との約束は切れてしまったのである。
すると、次に《野球部ぅ〜》とアナウンスがかかり、間違いか、と軽く舌打ちしたが、なんと変な奴が一人出て来た。
野球ヘルメットの用だが、ペンキだろうか、例えるとしたら日の出の光みたいな線が書かれていて白と黒でキレイになっている。そこの横から出る長めの黒髪。
目にはハートのサングラスから少し出ている漆黒の目。
女子制服の袖を切り取りまた縫ったような跡が遠くでも分かる。俺は目がまだ良いらしい。
スカートを履いていて意外と短め。
野球のバットを片手に持ち、変なイラストやシールがあり、リボンが巻かれていた。
オレはこの女に目を惹かれた。
こんなのはもしかして初めてかもしれない。
「やぁ！ 諸君！ 私の名はアナタシアだ！ 君たち部活など正直自由で良いと私はおもうのだ。 この部は野球部は嘘の名。『ニセ野球部』！！」
ニセとかなんとか言っているがなんなんだ？
彼女はニコニコとしながらバットで遊んでやがる。
しかもアナタシアか……外国人か！？
周りの奴らがヒソヒソと話していやがる。
「この部に入ればお菓子も食えるし工作もできる。 野球観戦も毎日できる！ ただの同好会とか言った奴はオレ……ゴホン、ワタクシが成敗いたす！ オレ…、ああッ、俺からは以上じゃゴラァ！ テメェら一人も来なかったらぶちのめす！ ニセ野球部廃部寸前なので暇な人入ってください。まじでお願いしますから……」
最後にキレてからペコリとお辞儀をして逃げるように退却。
オレは空いた口が塞がらないままステージを見た。
すごく一瞬だったのに、すごく印象にのこった。
しかも野球観戦ができると言うのは嬉しすぎる。
もしかすると、未来の見えない野球部に入るよりはこのニセ野球とか何とかいう部に入ってみたほうが良い気がしてきた。
あの先輩。アナタシア先輩。オメェは一体何者だ……
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