師匠は語らない 四 ページ6
「「酒呑童子？」」
「そう、俺の父親。結構有名なんだけど、知らない？」
夜雲は酒を飲みながら、３人に言う。魔慧と大ガマは顔を見合わせ首を傾げた。そんな中、土蜘蛛だけが、「まさか……」と顔を青ざめさせている。
「まさか……あの酒呑童子ですか！？」
酒呑童子。
それは鬼の中の長として知られ、酒が好きとされている、三大悪妖のその１人である。
一時は祓われたと言われていた様だが、一族は滅んでいなかったらしい。なんでも、夜雲はその内の一員らしく、次の長の後継ぎなのも、もう確定済みなようだ。
「と、とんだご無礼を！！この出過ぎた蛙の性で不可解な思いをされたでしょう！？申し訳ありません！！」
深く土下座をする土蜘蛛に、夜雲はポンッと手を叩いて、納得したように頷いた。
「常識人が土蜘蛛ね。覚えた。」
「っておい！俺と魔慧が変人みてぇじゃねぇか！！」
「……違うの？」
「違うわっ！！」
精一杯抵抗する大ガマに、師匠はやれやれと首を振る。相変わらず夜雲と口喧嘩(一方的だが)は耐えないようだったが、なんだかんだで、少し楽しんでいるようだ。
酒呑童子の後継者として育てられた夜雲は、外になかなか出して貰えなかったらしい。
それに嫌気がさした夜雲を連れ出したのが師匠だったそうだ。
「庭歩いてたら、いきなり落ちてきてさ。抱えられて飛ばれた。」
「……そんな事したか？」
「したよ。止めろって言ったのに……俺吐いたしね」
ブスッとした顔で夜雲は不機嫌そうに言った。
夜雲の父親も、後継者として立派に育て上げたいらしいが、それを師匠がことごとく邪魔をし、毎回どこかに落ちてくるので、庭先は穴だらけにさせられたとのこと。
まだ短い時間だが、師匠と過ごしてきた３人は、師匠の自由な性格に「ありえる」と心の中で納得する。
「なぁ夜雲サン！！師匠、会ったときどんな感じだった？」
「……魔慧、だっけ？コイツは会ったときから頭おかしかったよ。」
「おい、表でろ」
師匠の凄まじい程の形相に、魔慧は気にせず、食いつくように夜雲に聞く。
「やっぱりまんま師匠って感じ？」
それに夜雲は考えもせず、気持ちいい程の即答をした。
「変わってないよ、全然。うるさいし」
「……」
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♪ - ワイバーンさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて何よりです！小説、読ませて頂きますね!! (2016年4月3日 11時) (
レス) id: 31b9002b8a (このIDを非表示/違反報告)
ワイバーン - とても面白いですね！私も小説を書いているので宜しければ読んでみてください。応援してます！ (2016年4月2日 13時) (レス) id: da5fedacf4 (このIDを非表示/違反報告)
♪ - 星狐さん» ありがとうございます！！わざわざ読んで頂けるなんて、嬉しいかぎりです！これからも頑張りますね! (2016年3月28日 20時) (レス) id: 31b9002b8a (このIDを非表示/違反報告)
星狐 - こんばんは、星狐です。編集する前の師匠は語らないも読ませていただきました！夢主の口調変わりましたね。あっちもあっちで面白いので頑張ってください♪ (2016年3月28日 19時) (レス) id: 61c6a7506f (このIDを非表示/違反報告)
♪ - 続編まで見ていただき、本当にありがとうございます！これからも、応援やコメントの方をよろしくお願いしますね！！ (2016年3月22日 20時) (レス) id: 31b9002b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：♪ | 作成日時：2016年3月20日 20時
