男女の友情は成り立たない ページ5
忠義
「そろそろ病院行く？
午後の診察もう始まってるやろ」
A
「あー…うん…
じゃあ着替える」
忠義
「あ、そこに服たとんどいたで！」
見るとソファの上に、私の服が並んでいる。
洗濯から乾燥までしてくれている。
その綺麗に畳まれた洗濯物に、たつの想いを感じ、少し胸が熱くなった。
A
「たつ…ありがとうね」
と言いながら、服を取ろうと手を伸ばしたら、下着まで綺麗に畳まれている。
マジか…。
A
「……」
動きが止まった私の背後から、ニヤついたたつが覗いてくる。
忠義
「お前えろいん着けてんなぁ？」
A
「最悪！」
忠義
「照れんでええて笑」
A
「はぁ…」
さっきはちょっと感動してたのに。
たつって優しいけど、土足で入ってくるとこあるよなぁ…。
気使わんでええから楽ではあるけどさ。
さすがに下着はちょっと…。
いくらなんでも恥ずかしいわ。
ムスっとしながら、寝室へ戻り、着替えた。
身体中が疼いて痛い。
「あぁ…いたぁい…」
変な声が出る。
忠義
「手伝ったろかー？
入るでぇ？」
A
「ちょっと！
ほんまにやめて！」
やっぱ男女の友情なんて成り立たへんわ。
こんなときに実感する。
なんとか着替え、よろよろと保険証、診察券をバッグにいれた。
A
「行ってくる…
たつ帰る？」
忠義
「え？オレも一緒に行くで！」
A
「大丈夫
すぐそこの病院やし」
忠義
「ええて
そんな状態ほっとかれへん」
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作者名：キリンレモン | 作成日時：2020年5月24日 11時
