I to U ③ (ページ31)

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カラオケの隅でページ31

村上部長率いるカラオケ組は近くのビックエコーに移動していた。

村上部長の18番から始まり、同じ曲をもう3曲も歌っている。

いつものパターン。

でも以外と盛り上がっている。

何人かが代わる代わるマイクを握り、熱唱していく。

部内1歌が上手な係長がバラードを歌い始めた頃、安子は気づいた。

隅の方に座る、元気の無いたつ。

さっきまでは元気そうに振舞っていたけど、今までに見たこともないような切ない顔をしている。

安子

「たぁくん大丈夫？」

何も言わないたつ。

下を向いた。

安子

「あかんよねぇ、係長の歌って上手すぎて沁みるわぁ…」

忠義

「……」

安子

「たぁくん、何か飲む？

安子付き合うで？」

忠義

「大丈夫」

安子

「そっかぁ

元気出してって言うても今は無理やんなぁ…？」

忠義

「せやな」

安子

「んー、なんて言うたらええかな…

安子もさ、たぁくんとAがうまくいったらええなぁって思てたけど、こればっかりはどうにも出来ひんね…

力になれんでごめんねぇ…」

忠義

「安子はなんも悪いないやん

はぁ…分かってたことやけど、やっぱへこむな笑

あかんわ…オレ」

涙目のたつを安子が続けて慰める。