これからも ページ27
忠義
「これでちょっとスッキリしたわ！」
A
「私も…たつの事は好きやで？
でもやっぱり友達としてっていうか…」
忠義
「うん、分かってるで」
A
「こんな気が合う男友達なんてはじめてやったし、ず
っと友達でおりたいなって思ってる…」
「でもそんなん都合よすぎかな？
勝手でごめん…」
忠義
「もう謝んなって！
オレはお前のこと、友達と思てへんけどな笑
これからもお前の事好きやと思うし…」
A
「え…？」
忠義
「そんなすぐ吹っ切れるような軽い気持ちちゃうねん」
A
「たつ…」
忠義
「だからって無視とかすんなよ？
今まで通りや！」
そう言って笑いながら、頭をくしゃくしゃっとされた。
A
「わかった
ありがとう、たつ」
忠義
「ほな戻るわ！
めっちゃ食うたろー」
先にお店に戻って行くたつの背中を見送った。
たつの姿が見えなくなると、涙が溢れてきた。
なんで私が泣いてるんやろ…。
ジーっという自販機の音だけが虚しく耳に響く。
流れた涙を子どもみたいに袖で拭った。
たつの気持ちは素直に嬉しかった。
たつが悲しむと私も悲しいし、たつが笑顔だと私も笑顔になれた。
いつも笑いを共有し合ってきた私たちだったけど、でも、想いの種類は違った。
それだけは、たつと同じ気持ちにはなれなかった。
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作者名：キリンレモン | 作成日時：2020年5月24日 11時
