I to U ③ (ページ12)

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デートの約束ページ12

亮
「なぁ、誰か来とったん？」

A
「え？今日は誰も来てへんで？
なんで？」

亮ちゃんは相変わらず勘が鋭い。

冷えピタ、ポカリ、お鍋のお粥、シンクに置いたままの2つのグラス…。

亮
「いや、なんとなく…
ほら、あの背デカい奴とかさぁ」

A
「あぁ…うん昨日…来た…かな？」

私は本当に嘘が下手すぎる。
というか、嘘がつけない…。
正直に言わなくていいことでも、隠しておけない。

亮
「マジか…
まぁしゃーないかぁ
正直ショックやけどさ…
今はあいつの方がAのこと知ってるんやもんな？
俺、来てよかったんかな…？」

A
「なんでそんなこと言うんよ
亮ちゃん来てくれて嬉しいに決まってるやん
このプリンも覚えててくれたんやろ？
めっちゃ嬉しかった♡

亮
「ほんまかー？
そんなん言われたら俺調子乗るで！笑」

A
「あはは、単純やなぁ笑」

亮
「治ったらさぁ、どっか行こうや♡
デートしよ！
俺行きたいとこあんねんけど！」

A
「どこー？」

亮
「海遊館！
昔よう行ったやろ？
来週行ける？」

A
「行ける…と思う」

亮
「ほな車で迎えに来るわ！
あーめっちゃ楽しみや♡」

少しの間だったけど、亮ちゃんと話せて良かった。
プリンも嬉しかったし、誰かと喋ってたら元気出る。

亮ちゃんはこのまま居てくれると言ったけど、移ったらデートも出来ないからと、帰ってもらった。

ケータイを見ると、丸山さんから調子どう？とLINEが来ていた。
もう熱が下がったこと、仕事休んで申し訳ないことを返信した。

資料室でたつといるところを見られてから、言葉に距離を感じる。
仕方ないよね、あの状況じゃ、たつとどうにかなってるって思うよね…？

決定的な事を言われたわけじゃないけど、私の勘違いじゃなければ、丸山さんは私に好意を持ってくれてたと思う。
でも、今回のことで、もう無理やろうなぁ…。
せっかく仕事も2人でうまくいってたのに。
関係性崩れてしまうかもなぁ。
仕事に私情は挟んではいけない。
分かってるけど、へこむ…。