会社を出たら… ページ49
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今日も朝からずっと暇だった。
雑用をこなしながら、亮ちゃんのことを考えていた。
ちゃんと話してみるって言ったものの、何を？どう？話すの？
とりあえず電話してみる？
亮ちゃんの名刺をしばらく眺めていた。
亮ちゃんはもう一回やり直したいとか言ってたっけ。
私は？
うーん…。
一方的にそんな事言われても、気持ちが追いつかへん。
やっぱ無理！
名刺ファイルを引き出しにしまった。
モヤモヤした気分のまま1日を終えた。
さっさと帰って溜まった録画でも見よう。
定時に上がり、会社を出ると、目の前のフェンスに寄りかかっているのは見覚えある背中…。
ちゃんと見える位置まで近づいてみた。
うん、間違いない。
私の気配に気づいたのか、振り返ったのはやっぱり亮ちゃんだった。
亮
「あ、あの…」
A
「仕事？
何かうちの会社に用事？」
亮
「いや、A待っててん
ごめんな、突然…
今ちょっと話せへんかなって」
A
「うん
私も話したいと思ってた…」
その時、私のケータイが鳴った。
村上部長からだ。
A
「ごめん、ちょっと電話」
亮
「あぁ、うん」
亮ちゃんから少し離れて、通話する。
A
「はい、もしもし？」
村上部長
「今どこや？
まだ社内か？」
A
「今出たところです
何かありましたか？」
村上部長
「丸山から連絡あって、至急用意して欲しい資料あるらしいねん！
戻れるか？
頼むわ！」
A
「分かりました
すぐ戻ります！」
電話を切り、亮ちゃんの方へ向き直した。
A
「ごめん、急ぎの仕事入った！」
亮
「待ってるわ」
A
「何時になるか分からへんし、また今度にして？」
亮
「そっか…わかった」
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作者名：キリンレモン | 作成日時：2020年4月25日 21時
