名前呼び ページ39
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丸山さん
「昨日体調悪かったのに、呼び出してごめんな？
悪化したらあかんし、今日はもう帰ろか？
送るわ」
丸山さんちとは全然方向が違うはずなのに、わざわざ私の家までタクシーで送ってくれた。
丸山さん
「あ！
横山くんからメール来てる！！
赤ちゃん生まれたって！！
ほら写真」
A
「わぁ、ちっちゃーい♡
めっちゃかわいいですね！
横山さん、嬉しそう♡」
A
「お祝いせんとなぁ♡」
A
「そうですね♡」
横山さんの赤ちゃんの写真を見て、こちらも何だか幸せな気持ちになる。
ふわふわした幸福感とアルコールが、タクシーの揺れと合わさって気持ちいい。
寝そうになっていると、手にふわっとした感触がある。
私の手に重なった丸山さんの手は大きくて温かかった。
握り返したら、気持ちが止まらなくなりそうな気がして、手はそのままで目を閉じた。
丸山さん
「大丈夫？
降りられる？」
A
「大丈夫です
良かったら…上がって行きますか？」
丸山さん
「えっ？ええの？
う〜ん、行きたいけど…でも今日はゆっくり休んで欲しいからやめとくな？
ありがとう」
A
「いえ、こちらこそありがとうございました♡」
丸山さん
「月曜、出張の前に会社寄るから
今日は嬉しかったで！
おやすみぃ〜Aりん♡」
A
「私も楽しかったです♡
おやすみなさい♡」
今、Aりんって言った？
言ったよね笑
何か丸山さんらしいなぁ。
そんな風に呼ばれたのって子どもの時以来かも笑
わざわざ家まで送ってくれたし、お茶でも…と思ったけど、よく考えたらヤバイな、私。
誘ってるみたいやん。
あかんあかん、酔ってて頭回ってないわ。
丸山さん、断ってくれてよかった…。
紳士だった。
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作者名：キリンレモン | 作成日時：2020年4月25日 21時
