MSBYとあの子 2 ページ3
『AAです。これからMSBYブラックジャッカルのアスレティックトレーナーとしてみなさんを精一杯サポートしますのでよろしくお願いします!』
あのとき数年ぶりに見たAは、相変わらずきらきらとしていて。
彼女の変わらない姿を見られた喜びと同時にその柔らかな微笑みを、ひどく愛しいと思った。
Aの名前が佐久早の口から出た途端、他の3人は一斉に目を見開いた。
何、文句でもあるの。俺が1番にマッサージしてもらうんだから邪魔するなよ。ていうか付いてくるなと言いたげな佐久早の視線も何のその。木兎と日向が「それ良いな!俺も行く!」「俺もー!」と騒ぎ出すので、佐久早は心底嫌そうな顔をした。そんな彼に侑はにやにやとしながら声をかける。
「まぁまぁ、Aちゃんの名前が出たらねぇ。そら行きます〜ってなりますわ」
「…お前もか」
「もちろん♡やってAちゃんとお話ししたいもんなぁ」
ほらさっさと行きましょ、Aちゃん今どこにおるんやろか、と侑が声を上げたときだった。
『呼びましたー?』
「どぁぁあああ!?!?」
そのお目当てのA当人が背後に立っていた。虚を衝かれた侑は彼の出身地の気質もあり少しオーバーに驚く。するとAは少しムッとしたような顔をするので、侑もつい、さらに構ってやりたくなる。
「いやぁ、ごめんなぁ?小さくて見えなかったわぁ」
侑はこう言えばAが突っかかってくることを知っていた。案の定彼女は
『小さッ!?違います!侑さんが大きいんです〜!』
と抗議してくるので侑は「あらAちゃんに褒められてしもた。照れるわぁ」と皮肉るような言い方でさらにAをおちょくった。
その内心では、普段良い子で笑顔なAが俺におちょくられて俺の前だとムスッとふてくされてんの俺だけの表情って感じがしてええよなぁ、と密かに思う。
彼のそんな意図などつゆ知らずAはいつも自分をからかってくる侑を警戒視していた。
『で、何ですか。私名前呼ばれたかと思って来たんですけど』
「…A、マッサージを…」
「Aー!!マッサージやってー!!」
マスクの奥でボソッと呟いた佐久早の声は、日向の元気な声にかき消された。
『はいよー!ちょうど翔陽と木兎さん寝っ転がってるし、2人からやりましょうか!』
佐久早の声は聞こえなかったようで、腕まくりして動きやすいようにするA。
佐久早はその様子が気にくわなかったようで、Aの首根っこを掴んだ。
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牧野江(プロフ) - 叶芽凜さん» こんにちは、コメントありがとうございます。本当に好き勝手している作品だと思っているのでそう言っていただけるととても嬉しいです。こちらこそ読んでいただきありがとうございます! (2021年8月3日 21時) (レス) id: c6b47ba73e (このIDを非表示/違反報告)
叶芽凜(プロフ) - こんにちは!ずっとこういう設定の作品を探していたので、もう最高です!!素敵な作品をありがとうございます! (2021年8月2日 8時) (レス) id: 04dac8455e (このIDを非表示/違反報告)
牧野江(プロフ) - 月島野乃さん» レスが遅くなってしまい申し訳ありません。お褒めの言葉、とても嬉しいです!こちらこそ読んでもらってその上コメントまでしていただけて…!ありがとうございます。とても励みになります! (2021年7月21日 0時) (レス) id: c6b47ba73e (このIDを非表示/違反報告)
月島野乃 - 最高です。作っていただきありがとうございます!(^^) (2021年7月8日 23時) (レス) id: 39b7fcf3e5 (このIDを非表示/違反報告)
牧野江(プロフ) - ミントあいすさん» コメントありがとうございます。わー!教えていただけなかったらずっと誤変換するところでした!助かりました…!!修正します。ご指摘ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: c6b47ba73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牧野江 | 作成日時:2021年1月13日 18時