【ハイキュー】愛しいあの子に狂いたい！！【逆ハー】

アドラーズとあの子 5 ページ12

星海のその言葉で、アドラーズ妖怪世代の3人の考えが1つになった。
Aにマッサージケアしてもらいたい。

そして彼らは全員が自身の考えに良くも悪くも素直である。

「俺、Aにマッサージしてもらえるか聞いてきます」
「マジか影山！」
「頼んだぞ」

よってこうなるともう最後。止める者が誰もいないのだ。

しかし今回はAのこと。故にMSBYのA大好きマン達が黙っていなかった。

「おやぁ〜？飛雄クン何処行こうとしとんのかなぁ〜？」
「Aはウチのトレーナーなんだけど。お前らにしてやるものなんか無ぇよ」

影山の行く手を遮るように立ちはだかる侑と佐久早。
佐久早は恐ろしいまでに無表情。対して侑は明るく喋るがその目は笑っていなかった。

「何スか。俺はAに用があるんですけど」
「Aちゃんは忙しいから相手チームにかまける暇無いねん。ホラさっさと帰り」
「だとしても話すくらいは出来るでしょう」
「話だけじゃ済みそうに無いから言ってんだよ」

容赦の無い舌戦を繰り広げる3人。
その様子を見た日向と木兎は牛島と星海に声をかける。

「なーウシワカー。あれどしたの？」
「Aにマッサージを頼もうとしたら2人に阻まれているところだ」
「へー…？」
「なんか、3人だけ雰囲気が試合中みたいだ」
「確かに！俺にもあの間にネットが見えてきました」

その間にもさらに剣呑な雰囲気になる影山達に、そろそろ止めるか、と4人が思い始めた時、向かい側からこちらにAが向かってくるのが見えた。


『なに喧嘩してるんですか』
Aは臆することなく、その不穏な空気のなかに飛び込んだ。
彼女のこういった度胸は、彼女の、これまで身を置いてきた様々な個性の殴り合いの集団によって無自覚に鍛えあげられた故の賜物である。

「Aちゃん！いやな、飛雄クンがな。自分達もAちゃんのマッサージ受けたいって言ってきかないねん！」
「AはMSBYのトレーナーだから、コイツらにする必要は無いだろ」
「A、マッサージしてくれ」

ずい、と巨体の男達に言い寄られAは思わず後ずさる。
そして一息吐いて自らを落ち着かせた後、冷静に答えた。

『あのね、飛雄。私は私独自のマッサージ療法を監督に認められて、この療法で選手達をケアするためにMSBYのトレーナーとして雇ってもらってるの。だからあまり他のチームの選手達には出来ないんだ。監督達は出来るだけ私の療法をMSBYのためだけのものにしたいだろうし…』

アドラーズとあの子 6→←アドラーズとあの子 4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す