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Aside
あれからどのくらいの時間が経っただろう。
辺りは暗くなって、星空だけが私達を照らす。
A 「綺麗……」
手を繋ぎ浜辺に座る。
風磨 「A………
俺さ、必ずAを守れる男になる。
こんなキザなこと言うの柄じゃねえけど、本当に思ってることだから。
何年かかるかわかんねえけど、胸張って『こいつと結婚します!』って言えるように、俺、頑張るから。
必ず迎えに来るから…
だから、その日まで、待っててくれませんか?」
.
.
これはきっと夢だ。
起きて『ああ、夢か。』って寂しくも幸せな気分になるんだ。
随分現実味の強い夢ね。
いつから夢だったのかな?
…
……
いつまで経っても覚めない。
どれだけ瞬きしても目の前には真剣な眼差しの愛しい人。
その愛しい人が、私に…………
もう、いいや。
もし夢なら、
お願い、
一生目覚めないでいて…………。
頷くことしか出来なかった。
ただただ嬉しかった。
そんな私を見て、微笑んで、
''ありがとう'' と言って、私の頭を撫でる。
そういえば、健人にまだバレてなかった頃、同じようなことがあったな…。
遊園地の観覧車の中で、風磨に告白されて…その時も、風磨は''ありがとう''と言った。
''ありがとう'' って言わなきゃいけないのは私の方だよ、風磨…。
そんなことを思っていると、
風磨 「これ…」
と、渡してきたのは
輝く指輪。
ではなく、
薄いピンク色の綺麗な貝殻。
風磨 「さっき、見つけた。
Aにぴったりだなと思って…。
これは、仮な。
これ持って待っててくれてたら、
必ず、本物、渡してやるから。」
A 「…ずっと………待ってるから……っ………ありがと……うぅ……」
風磨 「ん。」
ぎゅっと、
お互いを確かめるようにまた抱き合う。
そして、
A 「……………んっ……」
私の唇に、
忘れかけていた温もり。
それは、
甘くて、
でも、どこか切ない
涙の味がした。
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じまばな(プロフ) - 松島蘭夢さん» お待たせしてしまって申し訳ありません(汗)そんなふうに言っていただけて、嬉しすぎます(;;)松島蘭夢様、2の方でもコメントしてくださってましたよね!本当に感謝しかありません;;;今後ともこの作品をよろしくお願いします!<(_ _)> (2018年6月12日 21時) (レス) id: e557d8cb3e (このIDを非表示/違反報告)
松島蘭夢(プロフ) - 本当にこの小説大好きです!頑張ってください (2018年6月12日 20時) (レス) id: 06cb82de2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じまばな | 作成日時:2018年6月12日 15時