*92*(F) ページ24
風磨side
小さい男の子に屈んで話す女の人
『おねーちゃんだいすき!!!』
「んー♡かわいい〜♡♡」
懐かしい愛しき人の声。
海の家から出てきた小さな男の子と、
A………。
白いTシャツにベージュのダボっとしたズボン
髪は簡単なお団子。
あんなにオシャレに気を使ってたAが、
別人のようなラフな格好をしている。
でも、
彼女から出る温かい雰囲気と、
一緒にいると幸せになれる魔法のような笑顔は、
変わっていなかった。
『ばいばい!』
A 「うん!またね!!」
涙腺が破壊しそうだった。
今にも話しかけて抱きしめたい。
あ、、
でも、さっき
「好きな人がいるの」って……
だよな。
もう3年も経ってるしな…。
でも、「久しぶり」って一言だけでも交わすのはダメなのか?
それも許されないのか、俺らの関係は。
A 「お疲れ様です!お先に失礼します!!」
そう笑顔で海の家から出てくるA
そして、帰ってしまうのかと思いきや、
俺と数メートル離れた距離に座った。
イヤホンをして、目をつぶり優しく微笑むその姿は、
「綺麗」という言葉が似合う。
もしここに、画家がいたとすれば、
モデルとして、すかさず声をかけていただろう。
それぐらい彼女は美しかった。
それにしても全く俺に気付かない。
まあ、そうか、大きめのフード付きパーカーにサングラス。
真正面から見ないと「菊池風磨だ」って絶対わからない。
どこにいるかもわからなかったのに、
偶然にも息抜きに来た場所で見つけた奇跡。
こんなにも近くにいるのに、
彼女に声をかける勇気がない。
もう、一層の事話さなくてもいいかもしれない。
こんな近くにいれるだけで幸せなんだから。
今話しかけたって、辛かったことを思い出させるだけ。
これで、Aのことは忘れよう。
ずっとずっと忘れらんなかったけど、
Aだって前に進んだんだ。
新しい恋を見つけて…慣れないところで頑張って……。
彼女を想うのは、今日で最後にしよう。
そう自分に言い聞かせていると、
A 「♪〜 〜 〜 〜」
小さく聴こえてくる彼女の鼻歌。
それは、
それは俺が…
作った曲だった。
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じまばな(プロフ) - 松島蘭夢さん» お待たせしてしまって申し訳ありません(汗)そんなふうに言っていただけて、嬉しすぎます(;;)松島蘭夢様、2の方でもコメントしてくださってましたよね!本当に感謝しかありません;;;今後ともこの作品をよろしくお願いします!<(_ _)> (2018年6月12日 21時) (レス) id: e557d8cb3e (このIDを非表示/違反報告)
松島蘭夢(プロフ) - 本当にこの小説大好きです!頑張ってください (2018年6月12日 20時) (レス) id: 06cb82de2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じまばな | 作成日時:2018年6月12日 15時