＿＿＿＿ ページ3
you side
「ん？どうかしたんですか？」
その日私がいつも通り出社すると、隅のデスクで福良さんの周りに数名の人が集まり深刻そうな顔をしていた。
大事な話でもしているのか、彼らは私が来たことにも気づいていなかったようだ。
ゆっくり近づき声をかけると、こうちゃんが分かりやすく肩をはねさせ驚きの表情でこちらを向く。
「うおっ……って佐藤さんですか」
「おはよ、こうちゃん。何してるのかな？私も入れておくれよ」
「おはようございます」と返しつつ、こうちゃんはその視線を隣の山本くんに送っている。
その山本くんも視線を受けていることに気付いているはずなのに絶妙な表情をしている。
おいおい、どういうことだってばよ((
なんとなく言いにくいことだけは伝わったぞ。
「あーっとですね、Aさん……」
「A」
山本くんは言葉を選びながら何かを言おうとしていたがその声は福良さんにさえぎられた。
福良さんは私を呼び、みんなで囲んでいたであろう彼のパソコンの画面を見せてくれた。
「朝来てすぐにごめんね。隠すよりはいいかなってことで伝えとく」
「いいよね」と福良さんが伊沢に聞いてる声が聞こえたがそんなのより。
「は？」
私はパソコンにくぎ付けだった。
画面にはTwitterが表示されていて、そこではすごい速さで文字や画像が流れていた。
文字はよくあるような、誹謗中傷の言葉でその言葉はある特定の人に向けられていた。
時折流れる『ふくらP』『福良』の文字。
そして画像には、福良さんと私のツーショットが映っていた。
うーん、なるほど。
「福良さん乙じゃん」
「いやいやちょっと待ちな」
＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弥生 | 作成日時：2021年9月30日 20時
