いと恋しき教師様！[鈴木達央]

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あーもう。痛い。最悪。
元からジクジクと痛んでいた足がさらに先ほどのリレーで悪化した。
お昼のときはなぜか痛みがひいていたから余裕だなぁとか思ったんだけどなぁ。
一応信長にもう1度行ってきな!!と言われたので先ほど保健室にも言ったのだが、午前中の後半の競技であったら棒倒しにて多数の男子がけがをしたらしく、先生はその処置に追われていたため自分は遠慮した次第だ。
その結果がまぁこの足なんですけど。
次は有志による借り物競走らしいし、座ってやすんでよう。
「あー！Aお疲れ様ーっ、こっちこっちー。」
一足先に戻っていたらしい、バンド仲間でもあるさっちゃんとルルたんとはーちゃんが席を取っておいてくれた。3人に挟まれるようにして真ん中の方1番前へ座ると、たわいもない雑談をする。
あのクラスの○○くんがかっこよかっただの、○○ちゃんは絶対あいつが好きだだの。
すると突然さっちゃんが声をあげた。
「ねぇ知ってる!?借り物競争の話!」
「なにそれー!」
「さっき聞いちゃったんだけど、最終レースの紙、仕込みらしいよ!!」
仕込み？と首をかしげる。
「なんか女子たちが勝手に仕込んだらしくて、“好きな人”っていう紙いれたんだって！」
なんとも青春らしい仕込みにみんながわき立つ。
それはそれは。なんて可愛らしい仕込だろうか。
告白のきっかけにするのか、はたまた人気を得るためのギャグとして使うのかはその紙を受け取った人の勝手だが、それにしても面白い。
「えーっめっちゃ楽しみー！誰なんだろー！！」
4人できゃっきゃと楽しんでいると、借り物競走に出場する人たちが入場する。
どんな人がいるのだろうと視線を巡らせる。
あ、あの先輩かっこいいってさっき話してた人。え！理科の先生もいる！
あの女の子可愛いなぁ。そう思いながら話していると、ある1点で目が止まる。
それに気づいた残りの3人もそちらを見て、一気に色めき立った。

「＿＿鈴木先生？」

そこには生徒とは見間違えない、彼がいた。
それも、一番後ろの列に。
ドキンと心臓が高なる。

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