24話 ページ25
貴「わ、わかりました！どうぞ遠慮なく殴ってください！」
まさか、自分からこんなことを言うようになるなんて、過去の私は想像もしなかっただろう。
けれど、殴られるかもしれないと思うとやっぱり怖かった。目をギュッと閉じて身構える。
レ「あはは。殴ったりせえへんよ。Aくんを傷つけるのは嫌や」
貴「へ…？」
思わずポカンと拍子抜けする。
レ「だから、勝負しよう。先に１つ傷をつけたほうが勝ち。これで殴り合いにはならん」
貴「わ、わかりました…！」
レ「Aくんも痛いのは一瞬の方がいいやろ…？」
そう言うとレトルト先輩は、私の腕を掴んで引き寄せた。首筋に息がかかり、歯を立てた。
その瞬間、首筋に鋭い痛みが走る。歯型がつくぐらい、強く噛まれたらしい。レトルト先輩は、その歯型を舐めると、満足気に言う。
レ「ふふっ。これで俺の勝ちやな」
今、自分のおかれている状況が分かると、私の顔は一気に赤くなっていった。
レ「ごめんな。傷つけたくないゆうたのに。でも、これで正式に俺らの仲間やな」
嬉しそうに笑った先輩の表情に、少し影がおちる。
レ「…ふふ。俺の証もくっきり残ってしまったなあ」
レトルト先輩が目を細めて愛おしそうに私の首筋を撫でようとしたその時、
ア「だーめ。」
突然、頭上から声が降ってくる。
それと同時に引き寄せられ、背中にトンっとぶつかる感覚がした。
私が振り返るとそこにはアブ先輩が立っていた。
ア「この子に変なことしないでよ。それに、Aちゃんは俺のチームに入ってもらう予定だから」
貴「え…」
レ「なっ！」
アブ先輩の発言に私もレトルト先輩も驚く。
すると、レトルト先輩は突然アブ先輩に向かって怒鳴った。
レ「なんでや…！Aくんは平和組のもんや！アブさんには渡さん！！」
いつも穏やかな先輩からは想像も出来ない程、敵意をむき出しにして怒っていた。
しかし、アブ先輩はそれを煽るように意地悪く笑う。
ア「あははっ！レトやんにAちゃんは譲れないよ。だって俺のお気に入りだもん。
…それに、レトやんは知らないだろうけど、この子は俺と秘密を共有しているんだ」
レ「ひ、秘密…？」
アブ先輩の言葉を聞いて、少しだけ敵意を弱めたレトルト先輩がこちらへ振り返る。
……嫌な予感がする。
レ「なあAくん。秘密って何なん？俺に秘密にしてることがあるん？」
予感的中で、レトルト先輩は悲しそうに私に問いかけた。
＊＊＊
久々の更新。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
卯月 - あひる隊長さん» ありがとうございます！別に構いませんよ！よろしくお願いします！ (2018年4月27日 21時) (
レス) id: ee413df35c (このIDを非表示/違反報告)
あひる隊長(プロフ) - わかりました！コメントありがとうございます！申し訳ないんですが、ショッピくんのことをあんまり知らないので口調が変になっちゃうかもしれないです！あと、もしかしたら物語の都合で他の人が出るかもしれません(><) (2018年4月27日 19時) (レス) id: 98372f4928 (このIDを非表示/違反報告)
卯月 - あひる隊長さん» 返信遅くなってごめんなさい(泣)えっと、グルちゃんと大先生とシッマとトン氏とショッピくんってお願い出来ますか？多いですかね？ (2018年4月27日 17時) (レス) id: ee413df35c (このIDを非表示/違反報告)
あひる隊長(プロフ) - 卯月さん» 卯月さん！申し訳ないんですが、全員は出せそうにないので、この人だけは絶対出して！っていうのを何人か書いてほしいです<(_ _)> (2018年4月9日 9時) (レス) id: 98372f4928 (このIDを非表示/違反報告)
あひる隊長(プロフ) - 卯月さん» 我々だ知ってますよ(*^^*)エセ関西弁になっちゃいますが大丈夫でしょうか！？それでも大丈夫だったら作ってみます！！ (2018年4月8日 8時) (レス) id: 98372f4928 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
