消えてしまった僕の希望 (ページ4)

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手術ページ4

僕はあの夢を見てから
　彼女のことがとても忘れられない。

　今までは然程、気になっていなかった。
　なのに何故なんだろう。

　今度、会いに行くか…。
　手術が終わって世界を取った後。

　＂待っていてね、A。"

　僕はそう呟いた。

　彼女の名前を口に出したのはいつぶりだろう。
　僕が親に捨てられてから

　もう会えなくなってしまった。

　隣の近所同士だったからな。
　可愛らしいけど男勝りな子だった。

　彼女の笑顔を見ると僕は救われていた。
　
　あの時は苦しかった。
　寂しかった。

　自分に価値などないと思っていた。
　だけど、彼女の笑顔を見ると
　全てを忘れられたんだ。

　
　僕は炎に襲われている女の子を守った。

　ただ単に自分の存在意義が欲しかっただけだ。

　彼女に合わない内に
　そっちの想いが強くなっていた。

　もちろん、あの女の子に死んで欲しく無かった。

　あの子、君の妹だろ？

　
　君の妹を見た事なんて一度もなかった。
　でも見た時、一瞬で気付いたんだ。

　不思議なこともあるんだね。

　「野坂くん、
　そろそろ手術の準備をしないと…。」

　看護師さんが待っていてくれている。
　僕は歩んだ。

悠「はいっ！」

　やる気に満ちた声を出して。