20 : とり ページ20
「 照り焼き好きなん? 」
『 うん 』
「 へえ 」
広がらない!
広がらなさすぎるよ、話題!
『 えーと、…永瀬のは何? 』
「 なんやろ? 」
『 は? 』
「 俺な、レタス好きなんよ 」
『 レタス… 』
「 レタス 」
レタス知らんの?とでも言いたげな表情。
コイツ…!
バカにしてやがる…
それに。
バンズとかパテならまだしも、
レタスって。レタスって!
うさぎか!それはキャベツか!
一人ツッコミで脳内が混乱。
「 ほんまはレタスだけ食いたいんやけどな 」
『 サラダ頼めよ 』
はっ!と小さく息を飲んだような音。
ポテトをつまんでいた手が止まる。
今頃、気づいたのか。
豆鉄砲食らったような顔。
案外、わかりやすい奴だな。
「 他何が好きなん?それ以外で 」
『 鳥 』
「 …… 」
『 …… 』
「 … 」
『 … 』
「 …闇深そうやな 」
『 なんで!? 』
深刻な顔した永瀬は、
私をジッと見つめる。
「 やって鳥居ってさ… 」
『 みゆきじゃないよ!チキンの方!鳥! 』
「 あー… 」
納得したように、
なるほど。とぼやく。
そしてまたポテトをつまんだ。
「 色気ないな上等さん 」
『 悪かったな! 』
本当に失礼だなこいつ。
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作者名:翠 | 作成日時:2016年1月22日 2時