目覚め ページ31
目が覚めた時目の前にはいつも通りの自室の天井だった
「あ、Aさん。気がつきましたか」
傍に控えていたツカサが声をかける
『ここって、私の部屋・・・ってことは』
「成功したのよ、Aちゃん」
ツカサの反対側にはアラシと彼にもたれかかって寝ているリツがいた
『そっか・・・イズミは?』
「まだ眠っています。あれから三日は眠り続けてますが、おそらく大丈夫かと」
『三日!?三日も寝てたの?私』
「はい、本当に心配したんですからね」
頬をふくらませ、怒っているという意志を示しているツカサだったが
逆に可愛さがあってあまり効果がない
「とにかく、目覚めたことですし何か食事を持ってきますね。食べれますか?」
『うん、でも起きたばかりであまり食欲ないから、軽めのものをお願いしようかな』
「かしこまりました」
そう言ってツカサが部屋を飛び出していく
それと同時にリツの真っ赤な瞳が開く
「A、今回は随分無茶したね、さすがの俺たちでもひやひやしたんだけど」
「本当、魂に戻っちゃったAちゃんを見た時は心臓が止まるかと思ったわ」
いつの間にリツはAの近くに移動し、懐から短刀をとりだした
『それ、私が持ってた・・・』
「やっぱり、Aの霊力がかすかにあったからそうかと思ってたけど・・・これ、ナッちゃんが拾ってくれてたんだよ」
『ありがとう、アラシ』
「どういたしまして」
それよりも。とリツは刀の鞘に手をかけ刀を抜こうとするが中々抜ける気配がない
「この通り、試しに抜こうとしても中々抜けないんだよね。かといって錆びついているわけでもないし、結構装飾もいいから高価なものだとは思うんだけど。これ、どこで手に入れたの?」
『手に入れたっていうか・・・前に廃病院に行く途中に皆とはぐれてツカサが気絶しちゃった時があったよね』
「確かに、あの時も大変だったわね」
『そこで偶然通りかかった人に助けてもらって、その短刀もお守り代わりに渡されたの』
「ふ〜ん・・・」
ある程度説明を聞いた後、リツはもう一度短刀を見つめる
「悪いけど、これしばらく借りていい?気になることがあって」
『?別にいいけど・・・』
「ありがとう」
それだけ言うとリツは腰を上げて、そのまま部屋を後にした
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御霊t(プロフ) - 花鈴さん» お気づかい、コメントありがとうございます。楽しく読んでくださり作者としては嬉しい限りです。私としては冬は好きなのですが、寒さには弱く家に引きこもる日々が続いています。ですが、できる範囲で頑張りますので、これからも応援よろしくおねがいします (2019年2月10日 22時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴 - 初めてコメントさせていただきます。いつも楽しく読ませて頂いております!持病をお持ちなのですね。まだまだ寒い日が続きますしどうぞご自愛ください。これからも応援しています。 (2019年2月10日 20時) (レス) id: 0fa2481ff6 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - 萩さん» コメントありがとうございます。受験生なのですね、私の方こそ応援しています。勉強、頑張ってください。また、この小説を息抜きに読んでくださりとても嬉しいです。体の負担にならない程度にこれから更新頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします (2019年2月9日 22時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
萩 - ひぇぇぇぇ...持病をお持ちだったんですね... 私は受験生ですが、この小説をよく息抜きに読みます。 作者さんの辛さは、私の比ではないかも知れません。無理をしない程度に、頑張って下さいね。応援しています。し続けます! (2019年2月9日 22時) (レス) id: 94abb9a787 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - あきなさん» ありがとうございます。温かいコメントに感謝します。語彙力が乏しくうまく物語を伝えられているか、更新するたびに不安になりますがこのようなコメントをいただいてとてもほっとしています。これからも自分のペースで頑張っていきたいと思います (2019年2月9日 21時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御霊t | 作成日時:2018年12月15日 14時