標的２４４ ページ31
とあるビルの屋上にて
武器のぶつかり合う音と爆発音が真夜中の空間に響く
戦っているのは二人、髪の長い男と中学生くらいの少年
そんな二人の様子を僕は近くのビルの屋上から見守っていた
少し嫌な予感がして来てみれば・・・
『近所迷惑にも程があるよ。時間はともかく場所を考えてほしいね』
生憎周りのビルに住人はあまりおらず、通報されることはないだろうけど
僕は戦っている二人に目を向ける
少年の方は書類でしか見たことないけれど、長髪の方なら数回だけだけど、すれ違ったことがある
まさか彼が来るとは思っていなかった
もし彼らが綱吉君たちの前に立ちはだかるとなると、少々分が悪いね
スクアーロ「ゔお″ぉい！てめぇ、何で日本に来たぁ。ゲロっちまわねえと三枚におろすぞぉ」
バジル「答える必要はない」
ちなみに二人の声は近くにあらかじめ設置してある盗聴器から聞いている
よく見ると少年の方は額に青い死ぬ気の炎を灯していた
しかし、力の差は歴然としている
バジル「くっ！」
スクアーロ「ゔお″ぉい！よえぇぞ」
少年が屋上が落ちそうになるが、壁に掴まり落下を防ぐ
彼の懐から一枚の紙が落ち、それを少年はなんとか掴む
『そろそろ潮時だね』
僕は今、夜の闇に紛れるように黒いローブを着ている
フードを深く被ると近くから花を咲かせる
真っ白いその花弁は夜の黒によく映える
その花弁はまるで雪のように二人の視界を覆う
スクアーロ「ゔお″ぉい！んだこれは！？」
長髪の彼が花に目を捕られている隙をみて
壁に掴まっている少年を植物のツルで拘束してそのビルから離脱させる
突然現れた植物に抵抗している少年だけど
生憎、その程度の力じゃ僕の操る植物はびくともしない
『あまり暴れないで、彼に気付かれちゃうから』
バジル「っ！？おぬしは！
どうやら少年側も僕のことを知っているようで、抵抗をやめる
ビルから少し離れた所で少年の拘束を解く
『ここに行って、そこに君の探している人がいるから』
少年に渡した紙には並盛町の地図で綱吉君の家にマークがついている
バジル「かたじけない！！」
そう言い残し、彼はその場を後にする
『どうやら、僕の予知通り。リングが動き出したみたいだね』
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