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すると、アリスがハートのジャックの槍を奪い取った。

(コイツ・・・、槍でつく気か。)

もう無理だと、海斗は目を瞑る。

「光!元にもどれえええええ!!」

翔太は光に向かってありったけの力を込めて叫んだ。

ドスッ

鈍い音がして、赤い液体が周囲に飛び散る。

予感していたことが起きた。

しかし、

光が刺したのは、お腹ではなく、しかも、傷もまだ浅い、腕だったのだ。

海斗の意識もまだ十分にあり、傷を抑えている。

抑えたところから赤い血が流れていく。

アリスの水色のドレスは返り血で汚れていた。

「光・・・?」

翔太が光を覗き込み、驚いた。

光は泣いていたのだ。

片方は、赤く光もない目だったが、片方は綺麗なエメラルドで、光を灯していた。

「私・・・人なんか殺したくないよ。」

震える声でアリスは言う

まさか、光が正気を取り戻し始めているんだろうか?

手から離れた槍が落ち、静まり返った廊下に響く。

「何だか・・・人形の中にいるようだった。これは夢。アリスみたいに夢だって思いたかった。」

「ごめんね、海斗・・・。」

アリスはそう言い、崩れ落ちる。

その時、

「チッ。時間切れね。魔法がとけるわ。」

どこからか声がすると、三人が優しい空気に包まれる。

その途端、三人ともそれぞれ

アリスは、服はそのままだが、髪は黒に変わり、ポニーテールになり、光へと変わった。

ハートのジャックは服は同じ。髪はこげ茶へと変わり、青年へと変化した。

白兎はもちろんまだ変わらない。

「何で、俺だけ変わらない。」

小さくて、ぴょんぴょん跳ねながら怒っている白兎は何だか可愛かった。

「海斗、本当にごめん・・・って言っても許せるものじゃないよね・・・」

光は素早くハンカチで血を拭いて、包帯を巻いた。

「何でそんなもの、持っているんだ?」

「アリスって、用意周到なのよ。」

それに海斗は優しく笑った。

「この傷は光のせいじゃない。死神のせいだろ?それに、今後俺は光を元に戻したヒーローだしな。」

いつもならムカッとくるところも、今回はなぜか笑ってしまう。

その姿を翔太は微笑みながら見ていた。

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ラッキーナンバー

8

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

ラッキーアリスキャラ

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設定タグ:不思議の国のアリス , 恋愛 , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー
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いちうさぎ - たいやき帝国さん» ありがとうございます!すっごい嬉しいです! (2019年6月3日 20時) (レス) id: 28959445f3 (このIDを非表示/違反報告)
たいやき帝国 - いちうさぎさん» リク完了致しました!ご確認ください! (2019年6月3日 10時) (レス) id: c9d3db91be (このIDを非表示/違反報告)
いちうさぎ - みなさーん。コメントお願いしまあす!!(^-^)/ (2019年5月8日 18時) (レス) id: 28959445f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちうさぎ | 作成日時:2019年5月6日 17時

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