９.不器用なアリス ページ12
私はただその場に呆然と立ち尽くした。
まさか私が不思議の国のアリスのアリスで、下手すれば破滅フラグがあるなんて。
「どうしよう・・・。」
私はアリスだと知った今、行動するのが怖くなった。
「アリスのお話は・・・。」
不思議の国のアリスは、よく兄に読んでもらっていた。
その兄も小さい頃から持っている病気で先月他界した。
病弱で、外で走り回れない兄はいつも本を読んで、私に読み聞かせをしてくれた。
私は目をつぶり、アリスの話を思い出す。
よく考えれば、アリスは最終的にはハッピーエンド。ルート通りに進めば大丈夫なはず。
私は目を開け、歩き出す。
「まず三本足のガラスのテーブルの上に鍵が乗っている。」
私はその内容をつぶやきながらテーブルの近くに行くと小さな鍵がおいてあった。
「そしてこの鍵が会う扉は、カーテンの裏にあるもう一つの扉。」
私は、勢いよくカーテンを開ける。
そこにはやはり、小さな扉があり、私は事前に開けておく
こんなにもアリスらしく進み、私の記憶が正しいことに思わず笑みが漏れた。
「そして、いつの間にかさっきのテーブルにdrink meの小瓶が置いてある。」
私が後ろを振り返ると今までにはなかった、小瓶が乗っていた。
あとは、この小瓶を飲むだけだけど・・・。
「ここで確か小さくなって、鍵が取れなくて、大きくなったら、鍵は取れたけどドアがくぐれなくて。そしてら白兎は驚いて扇子を落としていって、それで仰ぐと小さくなって、涙の池にぼちゃんだったわよね。」
そこのシナリオは私泣けないから省こう。その時
「光・・・なのか?」
そこには白兎が目をまん丸にして(もともと丸いけど)入り口に立っていた。
「海斗!?」
私は白兎に駆け寄った。
どうせなら思い切り抱きついてもよかったのだが、そこまでする勇気は私にはない。
白兎は多少驚いてはいたが、ニコッと笑ってくれた。
私は口を開く。
でない。一言が私から出ない。
「海斗、ごめん。好きだよ。」
そんなの言えない。言おうとしても何かが詰まったみたいにパクパクと口を動かすだけ。
どんだけ不器用なの?
自分の不器用さに自分で腹が立つ。
「っ!が、頑張って元の世界に戻ろう!!」
すると海斗がどこか寂しそうな目をして頷いた。
「じゃあ、頑張ってクリアしろよ。俺は約束の時間に間に合わなきゃいけないから。」
そう言って、海斗はかけて行ってしまった。
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西 - この方角に福があるはずです
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公爵夫人
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いちうさぎ - たいやき帝国さん» ありがとうございます!すっごい嬉しいです! (2019年6月3日 20時) (
レス) id: 28959445f3 (このIDを非表示/違反報告)
たいやき帝国 - いちうさぎさん» リク完了致しました!ご確認ください! (2019年6月3日 10時) (レス) id: c9d3db91be (このIDを非表示/違反報告)
いちうさぎ - みなさーん。コメントお願いしまあす!!(^-^)/ (2019年5月8日 18時) (レス) id: 28959445f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちうさぎ | 作成日時：2019年5月6日 17時
