第二十六話 過去編1 ページ28
〜 7年前 〜
ボーダーが作られる何年も前に、私は近界民と遭遇していた。
私は本屋で買った新しい本を握りしめ、ある場所へと向かっていた。
竜奈「お兄ちゃーん！新しい本持ってきたよー！」
路地裏の奥に広がる、ごみ捨て場のような場所だ。
ソファーに座っている男性がこちらを向く。
ルイ「お、竜奈じゃん。よく来たな。」
彼はルイ。元々この場所は私の秘密の場所だったのだが、2年ほど前にここで倒れているところを見つけてからは、二人の場所になったのだ。
竜奈「今日はね、この本にしたの！」
ルイ「どれどれ.....んー、毎回そうだが渋いの選ぶよなぁ。太宰治の【人間失格】か。」
私は漢字が読めなかったので、いつもルイに読んでもらっていた。
竜奈「早く読んで！早く読んで！」
ちょこんと、ルイの膝に乗った。
ルイ「そう急かすなよ.....。よし、読むぞ〜。」
竜奈「はーい！」
ルイ「.....恥の多い生涯を送ってきました。私には.....」
ピリリリリッ！
突然、携帯が鳴った。
私のだった。
リナ「あ.....母さんからだ。」
私の母は酷い人だった。
酒と男に溺れ、機嫌の悪い時には私をいつも殴った。
リナ「.....もしもし？」
母『今日はいつになったら帰ってくるの？』
電話越しに聞こえた母の声は、異様なほどに機嫌がよかった。
この時の私には、その理由はわからなかったが、そんな母に安心してしまっていた。
竜奈「もうすぐ帰るよ！」
母『そう、早く帰ってらっしゃい。」
竜奈「はぁーい！」
ピッ、という音とともに電話が切れた事を確認すると、はぁ、とため息をついた。
ルイ「今日は帰るか？」
竜奈「うん、母さんが早く帰ってきてって。なんか機嫌良さそうだった。今日は帰るね。」
ルイ「嗚呼、気をつけてな。」
ルイとはそのまま別れ、私は家に急いで帰った。
いつもと違い機嫌がいい母に浮かれていたのか、私の後ろをついて来ている一つの影に、気づくことはなかった。
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革ベルト
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夜桜(プロフ) - 更新楽しみに待ってます 大変だと思いますが、頑張ってください(о´∀`о) とってもおもしろいです(*^o^*) (2020年2月27日 18時) (
レス) id: 1fbc4252fc (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 玲奈様ありがとうございます！頑張ります！ (2017年12月30日 8時) (レス) id: fa37d62029 (このIDを非表示/違反報告)
玲奈(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新頑張ってください！ (2017年12月30日 0時) (レス) id: 91cee282ea (このIDを非表示/違反報告)
椿（竜奈） - ミリア様コメントありがとうございます！ミリア様は小説を作られたりしますか？もしよければですが一緒に作ってみませんか？今は受験前なのでゆっくりになりますがご希望されている作品もぜひ作ってみようと思います。 (2017年9月1日 17時) (レス) id: 7e2933e6fc (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく気に入った作品で続きが楽しみですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーの世界にトリップか転生したアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけて更新頑張って下さいね!。 (2017年9月1日 15時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年4月18日 19時
