□64話■ ページ4
□Aside■
大学に向かうために
家を出て鍵を閉めていた、ある日の朝。
A「あっ」
和也「おはようございます」
A「お、おはようございます」
隣人の方とバッタリ会って
朝の挨拶を交わした。
挨拶がしどろもどろになってしまったのには
訳がある。
A「スーツ…」
和也「ん？あぁ」
いつもはグレーのスウェットとかなのに
今日は黒のスーツでピシッとキメていて
いつもはピョンピョン跳ねている髪も
今日は綺麗にセットされている。
なんか、大人の男性って感じ…。
A「なんか…別人みたい」
和也「俺も鏡見て思った(笑)」
A「格好いいです…」
和也「惚れ直した？」
A「…別に」
和也「そっかー、照れるなー」
A「うんって言ってないですよ？」
中身はいつもの二宮さんで
見た目とのアンバランスに、頭が混乱する。
キメている二宮さんは
より一層格好良さが増して
朝からドキドキが…
トキメキを悟られないように、二宮さんの隣に行って
途中まで一緒に歩く。
A「今日、何かあるんですか？」
和也「そー、ちょっと挨拶しに行かなきゃいけなくて」
A「へぇ」
和也「まじで着慣れない。早く着替えたい」
A「まだ朝ですよ(笑)」
ふふって隣で笑っていると
ダルそうな顔をしている二宮さんが、こっちを向いた。
あたしと目があって
ふっと笑う二宮さん。
…やばい。
その格好良さで、その微笑みは
本当にやばい。
二宮さんから目をそらすと
首の後ろの服を、クイッと引っ張られた。
A「？何です？」
和也「いや、別に。そーいえば大将が、また来なよって」
A「あ、はい！是非」
和也「あの人、わんこのこと気に入ってるから」
A「嬉しいです(笑)」
和也「ふふ(笑)あと、来週の水曜ご飯食べない？」
A「あ、多分大丈夫です」
和也「おけ。じゃあまた」
A「はい、頑張って下さい」
和也「ありがと」
軽く手をあげて、二宮さんは
駅の方に歩いて行ってしまった。
猫背のその背中を
暫くボーッと見ていた。
写真、取っておけばよかったな…
スーツの二宮さんなんて、もう滅多に見れないかも。
ちょっと後悔しながら
あたしも大学の方に足を進めた。
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爽歌。(プロフ) - ににょちーろさん» コメント有難うございます！そんな風に言っていただけて、とても嬉しいです…！！機会があれば、是非書かせていただきますね(*´-`) (2017年6月3日 18時) (
レス) id: c1e035cb77 (このIDを非表示/違反報告)
ににょちーろ - 爽歌さん！めっちゃくちゃ面白いです。このお話♪1〜3まで早いペースで読んじゃうくらい面白いですよ！本当に(-^〇^-)！これからも応援してますほかの作品も書いてほしいなぁ〜！。なんて、、 あ、コメントは返していただかなくても結構です！ (2017年6月2日 21時) (レス) id: 2efc655b00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爽歌。
| 作成日時：2017年5月23日 0時
