一人と一振 ページ15
sideA
それから幾日か過ぎた後
俺と一期は任務を遂行すべく本丸を開けた
『結界も張った。鍵も閉めた。忘れ物もなし』
「政府との通信機はお持ちになりましたか」
『なりましたよ』
「絆創膏、消毒液、包帯、それから携帯と食料と貴方の生活に必要なものは」
『大丈夫です』
まるで母親の様に聞いてくる一期に答え
俺は本丸に術を施し、ゲートを解放する
こん「審神者様、一期一振様。それでは参りましょう」
開いたゲートの前で待って居たこんのすけに頷き
俺達は目的の本丸へと出立した
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繋げたゲートを抜けた先に待っていたのは
一振りの刀剣男士だった
「お下がり下さい」
一期は持ち前の反応で俺を背に庇い立つ
しかし、刀剣男士に襲ってくる気配はない
『..』
それより以前に..
『一期、ちょっと退いて』
俺は一期を退かし刀剣男士の前に立つ
俯いていた顔を覗き込めば、その瞳には光がなかった
「危険です。主殿！」
『...危険じゃないよ』
「此処が何処か御存知でしょう！今は襲って来なくともいずれ」
『襲って来ない』
その言葉を遮りこんのすけと一期を振り返る
『この刀..死んでるから』
「...は！？」
驚いた顔をした一期は立っている刀剣男士の顔を
俺同様に覗き込み、そして愕然とした
「何故..？」
『さぁな...ただ、外傷がないのに事切れている事と...顕現も溶けずこの場に佇んでいる事、そして誰も彼を気にしていない事..到着早々面倒な事になった』
こん「この本丸の刀剣男士はまだ居る筈です。何故彼をこのままにしておくのでしょう」
「このままにしておかなければならない理由でもあるというのですか」
『俺に聞くなよ..』
一振と一匹の問いかけに呆れつつ、事切れている刀剣男士に目を向ける
外傷はない...が、刀を地面に刺したまま
御魂を手放した刀剣男士
彼が何を考えていたのか
何故このような形で事切れているのか
考えた所で答えが出てくる訳でもあるまい
『とりあえず、中に入るぞ』
俺は一期とこんのすけに声を掛け
屍を通り越し本丸へと足を踏み入れた
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すみません..ブラック本丸編から入ります
続く (更新停止中)
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風船ガム - オムライスさん» 有難うございます！一期一振、良いですよね。普段とは少し違った一期一振ですが、どうかお楽しみ下さい！ (2019年9月19日 21時) (
レス) id: 96bda523c0 (このIDを非表示/違反報告)
オムライス(プロフ) - とても面白いです！一期さん推しなのでとても嬉しいです！更新楽しみにしています！ (2019年9月19日 0時) (レス) id: 8c1b28c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2019年9月16日 12時
