【獄都事変】獄卒日常【短編集】

16.京都[続き] ページ19

田噛side

田「A…」

貴「…死ねっ！」

田「…っ!!」


アイツ…まさか取り憑かれたのか？
何でだ…
鬼が取り憑かれることなんてないはず
妖怪が妖怪に取り憑いてるのと一緒だ、不思議すぎだろ
Aは途中から来た鬼の子だと言っていた

まさかアイツ…

だったら


ｷﾞｭｯ…


貴「……っ?!」

田「戻ってこい、A…
さすがにお前を傷付けたくはねぇよ

だから戻ってくれ」

貴「田…噛……？私っ…」

田「いい、言わなくて。わかったから」

貴「田噛は…私のこと、嫌じゃないの？」

田「は？何で？」

貴「私…元々人間だったんだよ？」

田「あー…今は鬼だから知ったこっちゃねーよ…
お前はお前だ」

貴「そっか…」


気が抜けたのかAは俺に寄り掛かってきた
それと同時に、Aの背中から黒い影
間違いねぇ、取り憑いてたのは今日の任務で捕獲するやつだ


妖「チッ…あと少しでコイツの体が手に入ると思ったのにっ…！」

田「まあ待てよ…ゆっくりしてけって…」


ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗｯ

ｸﾞｼｬｧｯ！


妖「ｷﾞｨｪｧｧｧｧｧｧｯ!!」

田「Aの体なんざ、のっとるのに1万年早いっつったもんだ」


そう言ったあと、特にやることもなかったからAを抱えてあの世に帰った

Aに内緒でキスした事は俺しか知らない話…

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