11話 ページ12
それから数分後。
zm「A〜？」
ボロボロのゾムが中から出てきた。
『ッ……！ゾム!!』
zm「うおっ」
『こ、こわ、怖かった……』
ゾムに抱きつき、ぽろぽろと泣きながらそう零すとゾムは
zm「A……ん、もーこわくないで、だいじょーぶや！」
と笑ってくれた。そう笑う彼の口元は微かに傷がついていた。
sya「なぁなぁ〜？俺にはそーゆーのなし？」
『シャオロンも、ほんまありがとう。』
sya「にひひ、Aのためなら！」
と、シャオロンも笑ってくれた。そういう彼もボロボロだ。
3人はそう言って笑う。
ゾムやばかったで〜、
シャオロンだって久しぶりにガチ切れしとったんやんなぁ？
ちょっ、言うなよ〜、
僕は役得やったわ！Aぎゅーっと抱きしめてくれんねん！超かわえかったわぁ！
大先生許すまじ。トントンに粛清してもらお、
せやな！
あぁんちゅめたい……
なんて。聴いてて思わず笑みが零れそうになる。……でも、
『……3人ともありがとう』
俺は笑っちゃいけないんだろうな。
そう呟いて体を離す。
目を見開く鬱先輩。
不審そうにこちらを見るゾム。
俺の様子に気づかないシャオロン。
sya「もう怖い奴おらんで！さ！焼肉いこー！」
『いや、俺ｰｰｰｰｰｰｰｰ』
そんな彼らだからこそ、
『俺、気分悪いから帰る。』
ｰｰｰｰｰｰｰｰ俺といることで、彼らの品位を貶めたくはない。
俺みたいな、獣人なんかと。彼らのような人間は違うんだ。
そう言った言葉はきっと誰にも届かない。
俺は彼らにくるりと背を向け走り出す。
ut「Aっ!!!」
俺の名前を呼ぶ鬱先輩の声がする。
振り向きたくなる心を必死に抑え、猫又の力を使って全速力で駆け抜ける。
生徒会のみんなは優しい。だから、知らぬ間に俺は甘えてしまっていたのかもしれない。そして、優しい彼らは迷惑の一言を言えなかっただけなのかもしれない。
僕らは人にはなれない。だから差別は無くならない。僕は強くなりたい。でも僕は強くなれない。
変わりたい。でも変われない。だから変わらない。
僕はｰｰｰｰ無力だ。いつまでもたってもガキのまま。くだらないことでみんなに迷惑をかけ、癇癪を起こして。……情けないなぁ。
涙が止まらない。嗚咽が出る。
もういやだ、何も考えたくない。もう。何も。俺が彼らと釣り合う訳なかったんだ！！！
俺はみんなに迷惑をかける、なんてそんなこと。知ってた、知っていたんだ、そんなこと。でも、それでも俺はｰｰｰｰｰｰｰｰっ、
もう少し続く!
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白銀狐 - マジでありがとうございますっ！続きマジで楽しみにしてます！ (2023年1月25日 18時) (
レス) @page35 id: 46fb34583d (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - きゃぁぁぁぁ！終わってないっ！！うれちぃぃい！！(逃げるどころか追いかける←) (2020年3月12日 18時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
いちま(プロフ) - TARAKOさん» めっちゃありがとうございます！！！おかげでなんとか！！ぎゃんばるやす (2020年3月12日 18時) (レス) id: 871efea391 (このIDを非表示/違反報告)
いちま(プロフ) - 虚さん» 残念！まだ終わってないですね........まだ付き合ってもらいますよ！！(逃げろ) (2020年3月12日 18時) (レス) id: 871efea391 (このIDを非表示/違反報告)
いちま(プロフ) - コメント嬉しかったから今しちまったぜ☆明日も更新しよう！（できたら） (2020年3月12日 18時) (レス) id: 871efea391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちま | 作成日時：2019年8月9日 20時
