大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ9)

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9.放課後、体育館にきてページ9

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一「もしさ、忠義に恋人できるんなら私、Aがいいわ」

一瞬何言われたのかわからなかった。

「なんでそんな事言うの？！」

一「優しいやんA。私と違って忠義のことちゃんと見てくれてるし、あんだけ素っ気なくされてたのに、忠義のこと否定的なこと1回も言わんかった。私は……そんなんできひん。」

「待って、一花ちゃんその言い方じゃまるで
まるでさ、、、」

やっぱり一花ちゃんは大倉くんを…。

一「忠義って私の事好きなんやと思ってたんやけどな〜(笑)違うかったみたい(笑)」

違うことないよ、全然そんな。むしろその逆で、大倉くんは一花ちゃんを好きなのに。

でも大倉くんの気持ちを私の口から言うのは違うし、ふたりの間にあの日、何があったのかも知らない私が動くのも違う。

「放課後、体育館に来て！」

一「え？なんで？」

「いいから来て！絶対だよ！！」

一「う、うん…？」

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その日の放課後、体育館に大倉くんと一花ちゃんが鉢合わせた。

大『話ってなに？』
一「は？忠義やろ？話あるってゆうたの」
大『言うてないんやけど。俺Aちゃんから一花が話あるって言うてたって聞いて…』

2人同時に状況を察したのか、はぁ…とため息が零れる。

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「(やりすぎちゃったかな)」

その頃、わたしは図書室で本を選んでた。
本当は隠れて様子を見るつもりだったんだけど
やめることにして、ここにいる。

ふと、【恋をした日に読む話】という小説が目に留まる。

「(恋かぁ…。)」

私のしてきた恋は、ちゃんと恋だったのかな。
……なんでこんな時に、大倉くんの顔が浮かぶんだろう。

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次の日の朝、学校の最寄り駅改札口出口に

「大倉くん…！？」

大『おっは〜Aちゃん。』

「なんで、」

大『昨日はどうも。』

「あっ……。」

大『即バレやで(笑)』

「一花ちゃんと話できた？」

大『うん。できた。ちゃんと幼馴染に戻れそう。』

「え、幼馴染、、？」

2人とも両思いなのになんで。
いや…前みたいに戻れるならそれがベストなのかな？

思わず大倉くんを見上げると
目が合ってて、身体にビリビリと柔い電流が流れた。

大『ありがとう。Aちゃんのおかげやわ』