47.一花ちゃん(y) ページ47
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一花ちゃんに、聞きたいことがある。
どうしても。
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横『ちょっと来て』
一「はい、?」
大倉とAが前を歩いてる隙に、一花ちゃんを2人から少し離れたとこに呼ぶ。
一「…なんでしょう?」
横『……』
一「そんな思い詰めた顔しないでくださいよ(笑)」
一花ちゃんは、やっぱりちょっと大倉と似てる。
そうやって軽やかに笑って、ほんまは気付いてるくせに、あくまで相手側から言わそうとするとこ。
横『なんで大倉じゃないん?』
一「なにがですか?」
横『この間のこと。風邪の時』
一「章大の親御さんに言っちゃったんです、夜まで見ますって。ほんとにそれは。あの時はそれが最善だって思ったから。」
嘘は、多分ついてないんやとおもう。
それくらい、目見ればわかる。
一「忠義が同じくらい熱があるって知ってたら、
……忠義のとこに私はいました。」
なんの間?
ちょっとだけ、間が空いた。
一「Aとゆうちん先輩が付き合ってるの…知らなかったし…。それはごめんなさい。」
横『や、それは一花ちゃんが謝ることじゃないから。』
一「…」
大倉と一花ちゃんは似てる。
一「でも今日試してみて、よくわかったことがあります」
一「私は、今まで、何を見てきたんやろうって」
一「自分に腹立つ。」
そう言って、一花ちゃんは左目から
一筋、涙を流した。
横『一花ちゃん…?』
一「なんも意味もなく、ここに来た訳じゃないんです。私だってそこまでアホじゃない。」
ぐしっと制服の袖で涙を拭き、またいつも通りの笑顔を見せた一花ちゃん。
一「大丈夫。まだしっかり答えは出されへんけど、もっとちゃんと考えたい。けど、きっと…大丈夫にします。」
俺はその彼女の言葉を飲み込むしか、術がない。
大『一花?』
大倉が、俺らに気づいたみたい。
ついでにAも俺を探してる。
横『ごめんごめん。』
大『ふたりで何してたん?』
横『別に。なにも』
大『ふうん…?』
「横山先輩、」
横『大丈夫。何も無いよ』
横『大倉、ペア交代終わりにしよ。
俺とA、そろそろ帰るわ』
言いながら、Aの手と自分の手を
貝殻繋ぎにした。
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作者名:∞くらゆい∞ | 作成日時:2021年8月29日 0時