大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ45)

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45.ダブルデート(y) ページ45

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Aの様子がおかしい。

それに、大倉の所に看病に行ってたなんて、知らんかった。

同時にみられへんからって、なんで大倉の所にAが行くん？なんで一花ちゃんはヤスを選んだん？彼氏が寝込んでんねんから彼氏の方が心配じゃないん？

むっちゃモヤモヤする。

「横山先輩っｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ、」

俺の人差し指を、小さく握ってきたA。
咳が辛そう。ダブルデートは無理やろ……って思って

横『ごめん大倉、Aが…』

体調悪そうやからやめとくって言おうとした時

一「ごめんお待たせ！！…！ゆうちん先輩〜！？え！お久しぶりです！」

横『久しぶりやな一花ちゃん。元気やな(笑)』

一「私はいつでも元気です(笑)」
大『元気だけが取り柄よな』
一「うるさい黙れ」
大『いった！…叩くなよ。

横山くんとAも今からデートやねんて〜。俺らもやし、一緒にデートしよって誘ってたとこ』

一「え、待って待って」

一「え？デート、え、A…横山先輩と付き合ってたん…！？」

一「てか…一緒にデートって、、ダブルデート！？」
一「憧れやってん！高校生のうちにダブルデート！」
大『夢が叶いましたね〜(笑)』

あ〜…これはもう行くしかないやつ…。Aの話も聞いたってや…と思いつつ、こんなに喜んでる人を目の前にして、自分の体調を優先できるような彼女では無い事を、俺は知ってて。

「楽しもうね！一花ちゃん！」

と最高の笑顔で返してみせた。

そんなAが、心配で、ほっとかれへんくて
どうしても手を握りたくなる。

「横山先輩…？」

手を握ると、顔を赤らめて俺を見上げてくる。…人前で手繋ぐとかあんまりせえへんし、好きじゃないから、普通にデートしてる時もあんまり必要以上繋がんねん。

今ここで、デート始まってもないのに繋がれてびっくりした？

いいやん。

だって、…しんどいやろ。

何がとは、言わんけど。
俺もそれ以上、考えもしたらんけど。

一「めっちゃラブラブやん！いいなぁ！私らも手繋ごう忠義！負けてられへん」

大『はいはい、なんの勝負よ(笑)』

横『早く行こうや』

大『……』

大倉と目が合った。
お前が、Aに何したか知らんけど

横『Aは、俺の彼女やから。』