大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ42)

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42.そして壊されたページ42

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大倉くんのことが…たまにわからない。

横《今日買い物行かなあかんねんけど》

「じゃあ待ち合わせ…を」

どうして、わたしに構うのか。

今、、わたしの背中からもろに伝わってくる
この温もりも

大『……』

「横山、先輩、」

横《ん？》

思考が、止まる。

横山先輩と話してる反対側の耳に

大倉くんは

大『やっぱり、付き合ってるんや？』

と囁きにも近い声で呟く。

ドクッと跳ねたのは心臓だけじゃなくて、身体も。
なんでこんなことになってるのか、わからないまま
通話は続いているわけで。

横《A？大丈夫？どうした？》

「せんぱい、…今すぐ会いたい」

横《え？》

「せんぱ、」

言い切る前に、大倉くんがスマホを取って
電話を切った。

「な…んで？」

大『…横山くんといつから付き合ってんの？』

「なんで切るの？…なんで今
後ろから抱きしめたり…したの…っ」

大『俺が質問してんねんけど』

大倉くんの目が、いつもとちがう。

いつもは柔らかいのに、いまは熱もあるからだろうけど、虚ろで。熱を持っていて、それでいて何かを訴えてるような瞳。

なんでそんな目をするの？

一花ちゃんと付き合った時、私に報告してきた時と同じ目で見ないでよっ

「こ…困るよ。お願いだから、これ以上踏み込んでこないで」

大『…困るような質問、してない』

大倉くんは、核心に触れるようなことを
必要なタイミングで必ず言う。

大『逆になんで困るの？Aって、俺のこと好きやったんと違っ「待って！！…お願いっ、もう聞かないで、何も言わないでっ…」

大『……じゃあ、嫌でも答えるようにしたるわ』

「なに、言っ」

後頭部に手を回されて
無理やり合わせられた唇と唇。

保健室で横山先輩に初めてキスされた時と似てた。

でもこれは、なんて酷い…

なんて、痛いキスなの？

なんでこんなに涙が込み上げるの。

なんで？大倉くん。大倉くんなんで？

一花ちゃんは？
どうして？
安田くんのことだってあるのに

わたしはいつもずっと我慢してきたのに
壊れないように今まで頑張ってきたのに

大『俺のこと好きやろ』