大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ27)

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27.知りたい(t) ページ27

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Aに避けられてる。

最近は……そう思えてならへん。というか……
1年の頃みたいな距離感に戻ったに等しいというか。

大『A、今日一花と帰りしな新しくできたカフェ行くんやけど、Aも』

「いやいや…！私はいいよ(笑)2人で、行ってきて」

どうぞどうぞ、と手を遠慮がちに振るA

「私がいたら邪魔になっちゃうし！(笑)」

邪魔なんて、もう思わへんのに。

大『…けど…一花もAに来て欲しいって』

「私は大丈夫だから、気使わないで。ね？」

大『……、、』

俺は、Aが心から笑ってるとこを見たことがない。

いつもいつも誰かに気を使ってて。俺や一花の邪魔にならないように、５歩下がるような子やから。

Aの好きな物も、何一つ俺は知らん。

何が嫌いで、何に感動する？

何があれば、幸せ？

誕生日は？

ほんまになんも知らんねんなって笑ける。

一花だけしか見てなかったし、Aのこと興味も無かった1年生の春。

でも今は違う。

一花の話聞いてくれて、ずっと俺を励ましてくれて、ずっと味方でおってくれたAのこと

ほんまに、いい子なんやなって知ったし

心が綺麗なんやなって思ったし

優しくて…一生懸命なんやって。

だからもっとちゃんと、話がしたい。
今度は、Aの話を聞かせて欲しい。

けど

大『髪切った？』

「え、、あぁ…うん、そうだね」

大『前髪、似合ってる』

「ありがとうっ。……じゃあわたし…図書室に用事あるから！」

大『うん…』

なんでいつもそんなに距離置くん？俺と。

なんか……全然上手くいかんくて。

一「忠義やっぱりAに嫌われてんのちゃう？真面目に。」

大『は？嫌われてなんか！……

嫌われてるなんて…そんなこと…ないよな？』

大『それにちゃんと…喋ってたし』

悩みながら廊下のロッカーに教科書取りに行くと

図書室行くって言ってたはずのAがおって
横山くんと話してる。

大『……』

Aが横山くんに見せる笑顔は、確実に違うくて

俺それ…結構気にしてんねんで？