大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ38)

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38.カミングアウト(s.y) ページ38

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一「だから、あんま近い距離でほかの女子と喋らんといてって言うてるだけやん！！」

大『近くないし普通の距離やん』

一「忠義自分が思ってるより女たらしやねん」

大『はぁ？』

一「約束して。ほかの女子と喋らんて」

大『…ヤキモチ妬いてくれんのは嬉しいけどさ…。ちょっと最近酷ない？』

一「私の事嫌いなん？」

大『だからそう言うこと言うてるんちゃうやん。』

一「一緒の意味やん！」

大『一花ちょっとうるさい。』

最近…大倉と一花はよく喧嘩する。

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大倉くんのヒロインにはなれない。

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安『まぁまぁ一花も不安なだけなんやし』

大『…それは分かってるけど…。俺そんな女子と距離感近いん？一花が妬くぐらいの発言とかしてる？』

一「はあ！？」

大『俺だって一花に嫌な思いさせんように、ほかの女の子と喋る時、ある程度気使ってるんやで？』

してない、な…。
そうやねん、してないねん。距離も近くもないし。

ただ、、Aちゃんを覗いては。

大『あーもう…ちょっと頭冷やしてくる』

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安『大倉にちょっと厳しすぎひん？』

一「章大までそんなことゆうん！？」

ああ…あかん、完全にマグマ並に怒ってる。

安『一花の言うてること、大倉もちゃんと受け止めてるけど、俺から見てもちょっと過敏になりすぎかなって』

一「…っ」

安『大倉も一花と似てるとこあるから…あんま交友関係に口挟みすぎたら限界くるんちゃうかな…』

一「たしかに、私もそれは分かってるけど！
分かってるけど……忠義…最近私より他の子見てる気するんやもん…っ」

安『…』

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ごめんな。やっぱり俺は、Aちゃんのこと応援するわけにはいかへんねん。

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その日の放課後、俺は大倉と2人だけの教室で、
愚痴を聞くだけ聞いた。

窓の縁にだらけて立ちながら、グラウンドを見てる俺ら。

大『…あっ、A』
安『え、』
大『今帰りなんかな…』

グラウンドに1人歩いてる彼女の姿。

安『なあ知ってる？…Aちゃん、横山くんと付き合ってるんやって』

ごめんな。Aちゃん。