ろくわ ページ8
「…やっと、ついたぁ…」
目の前には重たそうな扉。
あれから、時々降ろしたりたものの、何とか体育館前まで持ってくることが出来た。
猫かぶりスイッチ(仮)を入れて、扉を開け……
「あ、Aちゃん！」
「…先輩！」
手ぶらでこっちに走ってくる先輩。
「先輩、お仕事は終わったんですか？」
「あー、うん。ドリンク作り終わったんだね、籠貰うよ」
私から籠を無理やり取って体育館の中に入ってった先輩。
かかりましたね、先輩？
上がった口角を下げて、私も体育館の中に入ってった。
「みんなー！ドリンク出来たよー！」
体育館にはいかにも自分で作ったかのようにドリンクを配る先輩がいた。
さて、第1の罠です、先輩？
「なんか今日のドリンク味違くね？」
「な、いつもよりさっぱりしてる」
「俺こっちのほうが好みだわ」
「俺も〜」
あそこで話してるのは確か、花巻先輩と松川先輩。
さて、先輩はどう出るのかな？
「きょ、今日はね、Aちゃんがいるからいつもと作り方変えてみたの！」
…ほう、そう出るか。
「は、はい…！私
あ、味とか大丈夫ですか？」
ポケットから手帳とペンを取り出す。
「あれ、朝比奈言ってないの？」
「あっ、うん。Aちゃんまだこっちに慣れてないと思うからまずは仕事をちゃんと覚えてもらおうと思って、」
「ふーん。俺はもうちょっと濃いめ」
ほうほう、花巻先輩は濃いめ、
「俺はもうちょい薄めでで」
松川先輩は薄め、っと。
あ、及川先輩たちにも聞いとかないと。
「あの、及川先輩とかってどこにいますか？」
「はーい、及川さんに何か用？」
「ひゃっ…！」
声と共に背中が重くなる。
「お、及川先輩、びっくりさせないでください…！」
「可愛い可愛い〜」
可愛く見せてるんだもん。
「あ、そんなことより、及川先輩ドリンク飲みました？」
「まだだよー？」
「及川これ飲め、美味いぞ」
花巻先輩が及川先輩にドリンクを渡す。
ナイスです、先輩！
「…あれ、これって…」
及川先輩の顔が私の方に向く。
「お、及川！それ、私が作ったんだよ、どう？」
「えっ、朝比奈ちゃんが？」
「そうだよね、Aちゃん？」
わかりやすく目で圧をかけてくる先輩。
「えっ、えっと、そう、ですね…？」
私はあくまでも先輩に脅されてる後輩なの。
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みとみ - 面白かったです！続き見てみたいので更新してくれたら嬉しいです！ (2022年12月10日 13時) (
レス) @page9 id: d40c103c61 (このIDを非表示/違反報告)
しう(プロフ) - 見ててとっても楽しいです！更新楽しみにしてます〜！！ (2021年3月14日 4時) (レス) id: cfe68d15df (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ありがとうございます！ (2020年3月10日 8時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - ルナさん» 鴇色のことですかね？でしたらときいろと読みます！ (2020年3月10日 4時) (レス) id: c60763bc65 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - スミマセン、七に十に鳥の漢字の読み方を教えてください！ (2020年3月8日 12時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚花 | 作成日時：2020年3月2日 21時
