待って、私アイドルじゃないです【あんスタ】

プロデューサーとコズプロ ページ29

「Aさんの腕を買ってコズプロがスカウトに来ています」

という椚先生からの連絡を受け、なんだかんだでプロデュース科社会科見学のような授業が設けられたA。

もちろんアイドル科とは異なる学習内容によるため、A一人だ。

学院の生徒からは応援の言葉や寂しがる声も聞こえAもなんだかんだでしんみりとしたが約二日程の見学なためすぐに帰ってくる。

鉄虎の弁当を作っておき、いつもとは違う道を通って電車に乗り、アイドル事務所の一つコズミックプロダクション、通称コズプロに足を踏み入れた。

係の人に部屋へ案内され、会議室のようなところで待つよう言われ数分後。

「失礼します！」

キリッとした声とともに綺麗な姿勢で敬礼をするマゼンタの髪と眼鏡が特徴的な人が入ってきた。

「こんにちは、夢ノ咲学院から来ました南雲Aです。
見学のお誘いありがとうございます。
二日間よろしくお願いします。」

咄嗟に立ち上がってペコリと頭を下げる。

「いえいえ、こちらこそ来ていただけて嬉しいです！
きれいな姿勢と無駄のない挨拶、素晴らしいですね！

おっと申し遅れました、私コズミックプロダクションに所属しております七種茨と申します、以後お見知りおきを……！

それにしても資料を拝見させていただきましたが貴女の腕前は本当に我々も驚くばかりです！

その細く真っ白な手で多くのアイドルを引っ張っていく力、我々も是非見習いたいですね！」

ずっと笑顔を崩さないまま、マシンガンのように話し続ける茨。

数分ほど経ち、まだおさまる様子のない中控えめに扉を開ける音が聞こえた。

「茨、話し終わった？」

小さな扉の隙間からコテッと首を傾け、白髪の綺麗な男の人が顔をのぞかせた。

「閣下！これは失敬、長話が過ぎましたね。

それでは行きましょうか、歩きながら説明します！」

今回の見学内容はこうだ。

コズミックプロダクションの副所長であり、アイドル兼プロデューサーでもある茨とそのユニット、Edenの仕事についてくる。

事務所のカリキュラム等の説明と見学。

以上である。

茨いわく、同じ学院でないアイドルを見るだけでもかなり違うことに気づくだろうということであった。

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