在存ルナ非テ似 壱 ページ16
『お前、
サネガミ アマナ さんに似てるな!』
今日だけで何度聞いた言葉かも分からない。
私の知らない、でも私の祖母にあたる人の名前。
五代司令官の真ん中に座っていた鷲匠司令官が言っていたように、
私はその女の人に顔が似ている……というか瓜二つだそうだ。
『俺たちがまだ坊のとき、他の奴と違っていっぱい話しかけてくれて覚えてる!』
そう満面の笑みで木兎さんが言っていた。
今私は、与えてもらった部屋に一人膝を抱えていた。
自分では分からないが黒尾さんはこちらを見て、ギョッとしたかと思うと顔色が酷いから今日は下がれって言ってたっけ。
『妖霊力はお前ほどなかったが、状況の飲み込みが早く、
機転が利き、妖が昔から見えていたことはお前と異なるところだ。』
いや、知らない人と比べられたって……。
帰るすべも、この世界のことも、私自身のことすら知らない。
知らない自分と知らない人を比べられて、でも知らないから何も言えない。
もう少しおじいちゃんにいろいろ聞いとけばよかったなとか、
舞達どこに行っちゃったんだろとか、
さっき見た得体の知れない謎の生き物とか、
考えれば考えるほど孤独を感じて足を抱える腕に力が入る。
『そういえば アマナ さんのこと、黒尾好きだったよな!!
アカアシとか、オイカワも好きだったろ!?』
ふと木兎さんが言っていたそんな言葉も思い出した。
私を助けてくれたのってその女の人に私が似ていたからなのかな?
仮に似てなかったとしたら、こんなに目をかけてくれなかったのかな。
嫌な思考がどんどん頭を埋める。
助けてもらっただけ感謝しないと。
それにもしかしたら帰れるかもしれない。
早く妖を倒して舞たちを探しにいかないと。
おじいちゃん病院に連れていかないと。
黒尾さんが渡してくれた包みにはコロッケが入っていた。
私がガン見していたコロッケだ。
この塔に入る前に歩きながら食べたらいいって言われたから食べた。
でもたった一個でお腹は脹れることはなく、でもいくらか安心した気分になれた。
……お腹空いたなぁ。
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時間一日(ときまいちじつ)(プロフ) - あんころ餅さん» 返信遅れてすいません。コメントありがとうございます。お好みの小説で幸いです。更新頑張ります^^* (2020年1月16日 0時) (レス) id: 4c0ef34530 (このIDを非表示/違反報告)
あんころ餅 - とても面白いです!!私妖とか軍パロの小説好きなんです!!めっちゃ好きです!!これからも更新大変かもしれませんが頑張ってください!! (2020年1月13日 23時) (レス) id: 0e111988c0 (このIDを非表示/違反報告)
時間一日(ときまいちじつ)(プロフ) - 青葉さん» そしてアイナナというコンテンツのとあるイベントの設定に似ているとの事でしたが、私自身アイナナという作品への理解が及ばず読者様に不快な思いをさせてしまい申し訳ないです……。パクリなどでは決してありませんので、ご理解頂けると幸いです。長文失礼しました。 (2020年1月9日 23時) (レス) id: 4c0ef34530 (このIDを非表示/違反報告)
時間一日(ときまいちじつ)(プロフ) - 青葉さん» コメントありがとうございます。また、文章が読みにくいとのことでご指摘助かります。他作品も同じような文章構成で投稿させて頂いているので気づきませんでした……参考にさせていただきます。 (2020年1月9日 23時) (レス) id: 4c0ef34530 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - とても面白いのですが、少し文章が読みにくいです。別に文が変とかじゃなくて!改行やルビを振ったりして少し見直したらもっと良くなると思います!あと、アイナナのあるイベントの設定に似てるな…とは思いましたが、とても面白いのでこれからも頑張って下さい。 (2020年1月9日 16時) (レス) id: 00439ef5bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時間 一日(ときま いちじつ) | 作成日時:2019年12月29日 15時