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人魂8つ ページ9

「なんで嘘を?

俺に嘘は通用しないよ?」


「……この名前好きじゃないんです。


私に名付けられた最後の名前……。

私には親がいません。


私を産むと同時に亡くなりました。


親から、名前を貰っていません。


残していったわけでもないと言われ続けてました。」


「そう……。

俺達のこと、怖いって思う?」


「なんとも……混乱はしてます。」

「うん。

じゃあこれからどうしたい?」


「……私にはもう行く宛がありません。

妖怪さんでしたよね?

好きにして大丈夫ですよ。

喰うなり、なんなり」


「……また嘘ついた。


どこかで生きたいって願ってるね?


そんな君に一つ提案なんだけど、今の名前が気に入らないんだったら俺たちで考えてつける。


その代わりにこの旅館で働くってどう?

住み込みで3食付き。

君、いい人みたいだし、どこにも行く宛がないんだったらうち常時人手不足だしネ


いい条件じゃない?」



「……私で、いいんですか?」

「もちろん、

歓迎するヨ」


「……よろしくお願いします。

……お願いしますっ!」

「ウンウン、いい子。

じゃあ若利クンに報告してくるね〜」


頭をポンポンと撫でて行ってしまった天童さん。


額に浮いていた目はいつの間にか消えていた。




天童side〜



「やっほ〜、あの子ウチで働きたいってさ!」

「……そうか、助かる」

「いやいや、これからじゃんじゃんお客さん捌いてもらわなきゃネ!!

あ、あとさ、あの子名前覚えてないって言ってたじゃん??

だから俺たちで考えることになったんだけど、夜のミーティングで出すから連絡よろしくネ、工!!」

「え、あ、俺ですか!?!?!」

「ウン、行ってらっしゃい!」


「はっはいぃ〜」




工が去っていったのを確認して、若利クンと太一にその子の頭の中、過去を伝える。

「あの子可哀想ダヨネ。

同じニンゲンに差別され、こき使われ、輪に入れずずっと独りみたいだった。

あの子が覚えてない深い記憶まで見てみたけど俺正直途中で見るの辞めちゃったよ。


それに、名前覚えてないって言ってて最初は重度の記憶喪失かなって思ったけど、頭の中見てびっくりした。

たくさんの苗字も違う、あの子の名前だったものが次々溢れてくる。

名乗りたくないほどあの子にとっての名前は無意味なものだったんだね。

あとあの子、両親は先に亡くなったって言ってたけど捨て子ダヨ。


全く、これだからニンゲンは……」

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時間一日(ときまいちじつ)(プロフ) - シロさん» 返信遅くなってしまいすいません。コメントありがとうございます。更新頑張ります^^* (2020年2月2日 9時) (レス) id: 4c0ef34530 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 妖怪パロ面白いです!これからも更新頑張ってください! (2020年1月30日 16時) (レス) id: 1aa23a7ddd (このIDを非表示/違反報告)
時間一日(ときまいちじつ)(プロフ) - あに芋さん» ありがとうございます!初めての妖怪パロ作品がこの作品と聞いてとても嬉しいです^^*他にも多くのパロディがありハイキューってそこも楽しいところですよ! (2020年1月20日 22時) (レス) id: 4c0ef34530 (このIDを非表示/違反報告)
あに芋 - 妖怪パロなんて初めてみましたがめっちゃ面白いです!!更新待ってます!! (2020年1月20日 0時) (レス) id: d6f2ad8f63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時間 一日(ときま いちじつ) | 作成日時:2019年7月30日 15時

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