働け！！妖怪旅館【ハイキュー】

人魂12つ ページ13

「どう？仕事、出来そう？」


首をコテっと傾け柔らかい笑顔で聞いてくる綺麗な二十代くらいの鬼のお姉さん。

ただ、見た目は二十代くらいですごい若そうなのに、この旅館の従業員の精神年齢は300歳程度らしい。


「はい、桜依(さより)さんの説明すごくわかりやすくて、大丈夫そうです！」

「そう？嬉しいわ、フフっ。

Aちゃんって今何歳だったかしら？」

「えと、十六です。」


「あら、十六……？私たちにとっては何百年前のことね……。

ニンゲンって見た目の老いが早いのね………その代わり寿命が短いのかしら……？

その歳だとニンゲン界ではなんと言ったかしら……えっと、こう、こ……せい？」


「あ、高校生のことですか？」

「そうそれそれ。

私たちの場合、総監督様の若利ちゃんとかあたりがそれくらいの年代の見た目だったはずよ。」

「え、牛島さんって何歳なんですか？」


「そろそろ二百後半に入るくらいかしら？」

「に、ひゃ……く？」

「ええ、うちでAちゃん抜かして一番年下が工ちゃんなんだけど、あの子でも今二百前半くらいかしら……」

「……妖怪さんって長生きなんですね……」


「そうね、うちの旅館の支配人が、最年長で千年以上は生きてるかしら」

「……妖怪さんって寿命ありますか？」

「あるわよ！！

ただ元気な子はいつでも元気かしら」

「あ、そうなんですね……」


それから桜依さんと、他愛もない話をしながら長い廊下を歩く。


「そういえばAちゃん、明日からやっと仕事ね」


「はい！自分でもびっくりするくらい痛みも引いて無事仕事出来そうです。」


「そう、太一ちゃん腕はいいものね。」


「腕は……？」


「フフっ、あ、そういえば明日ちょうど百鬼夜行の日なのは聞いたかしら？」


「あ、五色さんが言ってました。」


「あら、工ちゃんが……。初めての年下ではしゃいでるのね。

じゃあ明日は気合い入れて仕事してちょうだい、仕事着は今日の夜渡すわ」


「はい、ありがとうございます！」

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