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「…ン?……キャプテン?
おーい」
己を呼ぶ声でハッと現実へ引き戻される。
「大丈夫ですか?」
「あぁ」
『じゃあまた会ってくれるんだね!』
嬉しそうに笑うその顔が、その声がなぜだか鮮明に再生される。
「また、か…」
「なんか言いました?」
「いや、それより早く出るぞ」
「アイアイ!
それにしてもAちゃんほんと可愛かったな」
「人懐っこいというか犬みたいっていうか」
だんだん小さくなる背中を目で追いながらクルーたちは盛り上がっているようだ。
そんなクルーたちに構うことなくローは中へと戻っていく。
一見冷たくも見えるがローの口角は微かに上がったままだった。
× × ×
海賊と名乗る集団の船に乗せてもらい、無事目的の島に辿り着いたA。
次に目指すのは小さなお店の特製シロップだ。
このシロップは特別な手法で作られており、その土地特有の気候で数日熟成させたものだという。
数時間ほど歩き、なだらかな丘の頂上にポツンと小さな小屋を見つける。
あの小屋こそ次の目的地、特製シロップを売っているお店だ。
丘を登って店のドアをくぐる。
すると奥から微かだが談笑する声が響いていた。
「あのー…」
そっと声をかけると店の主と、話していたお客さんが同時に振り向く。
「おっ、誰かと思ったらAじゃねぇかよい」
「マルコさん…!?」
「何年ぶりだ?
元気そうで何よりだよい」
「らっしゃい、なんだマルコ。
お前もあの酒場の常連か?」
「まぁ、親父があそこのマスターと知り合いなのと、あの酒場を特に気に入ってるんだよい」
「ガフさんも顔が広ぇな。
待ってな嬢ちゃん、話は聞いてる」
強面な店主さんはそう言って裏に入っていった。
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柏餅 - めっちゃ面白いし神すぎます! (11月16日 17時) (レス) @page48 id: c21f6abdfc (このIDを非表示/違反報告)
アレンシス(プロフ) - 面白いです!出来れば過去編の夢主が子供だった時の可愛い姿が見たいです! (2022年8月29日 20時) (レス) id: d7a55940cb (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 更新待ってます! (2022年8月24日 2時) (レス) @page11 id: 6c54ce0ff5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 更新待ってます! (2022年8月24日 2時) (レス) @page11 id: 6c54ce0ff5 (このIDを非表示/違反報告)
MikOkO(プロフ) - 面白いです❗ (2022年8月23日 17時) (レス) @page11 id: 75e4df7db9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時間 一日 | 作成日時:2022年8月17日 0時